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学科 メディア学科
年度 2016
ゼミ名 佐伯 順子
タイトル 昔話CMブームから見るテレビCMの今
内容 2014年頃から昔話を題材にしたテレビCMがシリーズ化されるほどの人気を博し、話題となっている。本論文では昔話CMの分析を行う中で、ここ数年でこれほどまでに視聴者に受け入れられた要因、昔話というテーマから見る現代社会の多様化、昔話そのものの魅力についてメディア学の視点から追求する。さらに、昔話CMの枠組みとなる「広告業界」「昔話」についての検証や昔話CMに関する新聞・雑誌・ブログなどの記事の分析、一般視聴者のSNS上での投稿など、現在のテレビCMのあり方と昔話CMブーム全体を多角的に考察する。昔話CMがCM業界を席巻し、人々の心に刺さる作品になる要因として、ギャップや親しみやすさを与えやすいストーリーで、世代を問わず共有できる数少ない常識である昔話という題材がSNSをはじめとするあらゆるメディアとの相乗効果によって人々の印象に深く残るCMシリーズとして成功したのだと考えられる。
講評 佐伯ゼミ2017年度生は、音楽、映画、テレビCM等の視聴覚的な媒体を、社会的背景との関わりから論じ、社会的データ、独自のアンケート調査の結果分析に、映像分析、言語情報の表象分析、言説分析を加え、多彩な方法論を駆使して、修士論文と同等の優秀な成果があがった。質的分析、量的分析の双方を駆使するのが佐伯ゼミ卒業論文の特徴であり、評論と論文の違いも、大学教育にふさわしいレベルで正確に指導した成果である。
本論文は、音楽を聴く行為が、レコードの購入からCD、さらにデジタル配信サービスへとメディア環境の変化とともに変容していく過程を考察し、最新の定額性音楽配信サービスが、旧媒体にかわって音楽聴取の主流になりえるか否かについて、文献調査とアンケート調査の方法論を融合して論じたものである。同世代のオーディエンスに行った独自のアンケート調査と、日本レコード協会、日本生産性本部等の外部機関の調査結果を総合的に考察し、音楽を「聴く」サービスとしての音楽配信サービスは今後主流になり得るものの、音楽を「所有」する喜びを与える意味でのレコードやCDの社会的意味は消滅しないであろうと結論づけた。受け手がどのような動機づけによって音楽を享受するかによって、“モノ”か情報かのすみわけがなされるという議論は、実証的データに基づく説得力があり、「音楽のデジタル移行への過渡期」としての現代の日本社会における音楽文化のありかたを、芸術史、音楽史とは異なる、メディア学的、社会科学的見地から論じたものとして、すぐれた研究成果をあげた。
キーワード1 昔話
キーワード2 CM
キーワード3 桃太郎
キーワード4 三太郎
キーワード5  
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