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学科 メディア学科
年度 2016
ゼミ名 竹内 長武
タイトル シャーロック・ホームズは美男子か
内容 シャーロック・ホームズというキャラクターを想像する時、鹿撃ち帽やインバネスコート(正確には旅行用ケープ)、そして曲がったパイプをイメージする人は多いのではないだろうか。それに加えて、彼をハンサムに想像する人も大半だろう。
しかし、正典ではシャーロック・ホームズは外出時に鹿撃ち帽をいつも身に着けているわけではない。その上パイプについては曲がっているという記述はなく、インバネスコートは正典に登場しない。容姿についても美男子と想像できるような記述はない。ではなぜこのようなホームズ像がうまれたのだろうか。
現在のシャーロック・ホームズ像の形成に大きな影響を与えたのは挿絵である。正典からイメージできるホームズ像とは全く異なる挿絵だったとしても、読者が挿絵を見てこれこそがあのキャラクターだと感じ、まるで直接その登場人物を見ているような感覚になれば、挿絵というメディアは透明になり、文章と一体化する。
この文章と挿絵の一体化が成功したからこそ、シャーロック・ホームズシリーズの挿絵は、シャーロック・ホームズ像を不動のものとすることができ、現在のシャーロック・ホームズ像が確立した。
講評 コナン・ドイルの探偵小説「シャーロック・ホームズ」ものは、世界中で愛されている。マンガに利用されたり映画化されたり、元の小説を読んでいなくても、その主人公や作品世界をなんとなくイメージできてしまう。鹿打ち帽をかぶりパイプをくわえ外套をまとう姿である。ところがそうした主人公の外形のキャラクターは、小説ではなく挿絵によってイメージが固められた。その過程を、当時の画像を引用しつつ、丁寧に読み解いている。関連文献を利用しつつも、自らの独自の見解を交えつつ考察した点が評価できる。
キーワード1 シャーロック・ホームズ
キーワード2 美男子
キーワード3 挿絵
キーワード4 一体化
キーワード5
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