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学科 メディア学科
年度 2016
ゼミ名 竹内 長武
タイトル 中島哲也の映像表現~そこから見える日本映画界~
内容 「嫌われ松子の一生」や「告白」などで知られる中島哲也監督はミュージック・ビデオやTVCMでよく用いられるスローモーションや色鮮やかな映像によって独自の世界観を作り上げている。また感情表現がオーバーでアクの強いキャラクターを多数登場させることで作品全体に非日常性を醸しだしている。そうした作家性の強い映画監督を日本映画界は嫌う傾向があり、活躍の場が限られている。人気漫画の実写映画化が流行りの今、日本映画界は質よりも量を優先させているのだ。インディーズ系の映画監督は金銭面での余裕がなく、近年ではワークショップの開催やクラウドファンディングなどによって資金を得ている。そうした状況が続けば、日本映画界から質の高い映画を作る監督やスタッフがいなくなってしまうかもしれない。才能ある監督やクリエイターに対し政府や映画会社から援助をしっかり行うことで素晴らしい作品を日本から世界に羽ばたかせていってほしい。
講評 「嫌われ松子の一生」「告白」などで知られる中島哲也監督の映画の映像表現を分析した論文。中島監督は独特の感性で映像美を表現しており、テレビCM等でよく用いられるスローモーションや色彩豊か表現によって、個性的な画面を演出している。しかしながら、日本の映画産業界は、個性があふれ大衆受けしない監督を嫌う傾向がある。そのため、彼の作品は制作の困難をともなっている。本論文では、中島の独自の映像表現を具体的に分析しているが、同時に日本の映画界の体質にも言及して、単なる作品論に終わってはいない。
キーワード1 中島哲也
キーワード2 非日常性
キーワード3 インディーズ系映画監督
キーワード4 クラウドファウンティング
キーワード5 作家性
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