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学科 産業関係学科
年度 2016
ゼミ名 三山 雅子
タイトル 格差の是正は可能か 働き方改革による日本の奇跡
内容 学歴を重視し新卒採用の就職活動が一般的な日本では、一定の期間内に努力し結果を出さなければならない。つまり敗者復活の道は少なく、一度レールから外れると生き辛い世の中である。結果として非正規雇用になってしまう人が増加し、格差社会の要因になっているように考えられる。また正規雇用であっても勤務地や職種を選べる可能性は低く、残業や休日出勤などでワーク・ライフ・バランスの実現は難しい。正規雇用には正規雇用なりの生き辛さがあるように見える。正規雇用・非正規雇用ともに働き方を見直す必要があるのではないだろうか。
労働の二極化を解消するためにワークシェアリングを実施する。そうすれば長時間労働を是正し、新たに雇用を創出することが可能である。そして不本意ながら非正規雇用である人々を正社員として雇用し、格差を是正することができるのではないだろうか。さらに中間的な雇用形態である限定正社員制度を活用する。そうすれば労働者の選択肢が増え、ワーク・ライフ・バランスの実現が可能になると考えられる。
講評 私のゼミでは卒論について、大学の正式な提出締め切りの前に、ゼミ内提出締め切りを設けている。なぜだかわからないが、それを守ることのできない学生が数年前から出現し始めた。就活は一時期より格段に楽になっている。だから卒論に取り組む時間は十分取れるにもかかわらずである。
ゼミ内提出締め切りを守ることができないという学生に何度か遭遇する中で気がついたことがある。結局、卒論の良し悪しは、大学の正式な提出締め切りの前、ゼミ内提出締め切り時から変わらないということである。これが意味することは簡単である。ようは執筆にかけることのできた時間に卒論の完成度は比例するということである。ある程度時間をかけて卒論を執筆することのできた学生の卒論は、お酒と同じで、執筆期間中に熟成を遂げる。つまり、最初は先行研究をなぞるだけであったものがじょじょにじょじょに熟成し、他者の言葉ではなく自分の言葉で書き始める。つまり、先人の思考と格闘したのだ。その結果として自分の思考と言葉を獲得したのだ。
一方、大学の正式な提出締め切りにギリギリに間に合う形で提出された卒論はほとんどが他者の言葉をなぞるのみで終わっている。自分の言葉がないわけではない。しかし、その自分の言葉は熟成することなく、生まれ落ちたままほっとかれている。だから読む者の気持ちを魅くことに欠ける。
ゼミ内提出締め切りを守ることができない学生が出始めてから、内容以前に卒論の形式を守ることができない学生も出現した。形式は内容を規定するから、卒論執筆要領を守ることができない学生の卒論は読んでも、内容的に光るものあるいは光るものになるかもしれない原石に遭遇することがほとんどない。卒論という思考の格闘を味合うことなく大学を卒業していくという意味で、これはとても残念なことだと思う。しかし、人はあるようにしかあれないということなのであろう。
キーワード1 非正規雇用
キーワード2 ワークシェアリング
キーワード3 限定正社員
キーワード4 サテライト・オフィス
キーワード5 能力開発
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