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学科 産業関係学科
年度 2016
ゼミ名 三山 雅子
タイトル 介護職の社会的地位向上について
内容 職業威信という言葉が存在するように、職業には職業威信スコアの高い職業と低い職業に分けることができる。職業威信スコアの高い職業とは医者や弁護士などが挙げられ、その職に就くために必要な学歴や費用、その職業自体の社会的意義を考慮して誰から見ても尊敬できる社会的地位が高い職業だと考えられている。本論文ではそのような職業とは真逆にある、社会的地位が低いと言われている職業に目を向ける。なかでも介護職は、日本の高齢化が急速に進んでいるにも関わらず未だ深刻な人員不足や低賃金という問題を抱え、ひいては社会的地位の低い職業だと考えられている。
社会的地位が低いと考えられている所以はその賃金水準の低さにあるのではないだろうか。介護職に従事する労働者は肉体的にも精神的にもきつい仕事を昼夜行い、どんなに症状の重い利用者であっても人間らしい快適な生活を送ってもらえるようにと日々試行錯誤しながら働いている。それは介護職の特質とも言える。それにも関わらず賃金水準や初任給は他の職種と比べても低いのが現状である。仕事内容や労働者の職務遂行能力、利用者とのコミュニケーション能力等を賃金決定の際の評価基準の中心にすることで介護職の賃金水準の是正を行うべきではないだろうか。
講評 私のゼミでは卒論について、大学の正式な提出締め切りの前に、ゼミ内提出締め切りを設けている。なぜだかわからないが、それを守ることのできない学生が数年前から出現し始めた。就活は一時期より格段に楽になっている。だから卒論に取り組む時間は十分取れるにもかかわらずである。
ゼミ内提出締め切りを守ることができないという学生に何度か遭遇する中で気がついたことがある。結局、卒論の良し悪しは、大学の正式な提出締め切りの前、ゼミ内提出締め切り時から変わらないということである。これが意味することは簡単である。ようは執筆にかけることのできた時間に卒論の完成度は比例するということである。ある程度時間をかけて卒論を執筆することのできた学生の卒論は、お酒と同じで、執筆期間中に熟成を遂げる。つまり、最初は先行研究をなぞるだけであったものがじょじょにじょじょに熟成し、他者の言葉ではなく自分の言葉で書き始める。つまり、先人の思考と格闘したのだ。その結果として自分の思考と言葉を獲得したのだ。
一方、大学の正式な提出締め切りにギリギリに間に合う形で提出された卒論はほとんどが他者の言葉をなぞるのみで終わっている。自分の言葉がないわけではない。しかし、その自分の言葉は熟成することなく、生まれ落ちたままほっとかれている。だから読む者の気持ちを魅くことに欠ける。
ゼミ内提出締め切りを守ることができない学生が出始めてから、内容以前に卒論の形式を守ることができない学生も出現した。形式は内容を規定するから、卒論執筆要領を守ることができない学生の卒論は読んでも、内容的に光るものあるいは光るものになるかもしれない原石に遭遇することがほとんどない。卒論という思考の格闘を味合うことなく大学を卒業していくという意味で、これはとても残念なことだと思う。しかし、人はあるようにしかあれないということなのであろう。
キーワード1 賃金水準の向上
キーワード2 仕事内容に見合った賃金
キーワード3 介護職へのイメージ
キーワード4  
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