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学科 | 産業関係学科 |
年度 | 2016 |
ゼミ名 | 三山 雅子 |
タイトル | キャッシュレス化の進展によって現金は必要無くなるのか |
内容 | 近年のキャッシュレス決済は、情報通信技術の革新に追随するかたちで発展してきており、お金が単独の発展を遂げてきたという訳ではない。 まず始めに、キャッシュレス決済において、発行体自体に金銭的価値を持つものと持たないもの、また、金銭的価値のデジタル情報を保管・移転するために利用する媒体の種類、さらに、電子マネーの流通形態においての分類などについての説明を行い、その各々が情報通信技術の発展によるものであることを確認した。次いで、キャッシュレス決済手段が現金通貨決済手段に劣る部分として、機能性・保証性・流通性・匿名性のそれぞれについて考察し、キャッシュレス決済手段における問題点や課題を示した。 以上の分析から、今後のキャッシュレス化の進展のためにも、当分の間は現金通貨が必要となり、現金通貨の補助的な機能の下で、キャッシュレスが発展していくこととなること論じた。そして最後に、現金が限りなく不必要となるキャッシュレス社会が到来するためにはどのような内容の変革が必要となるのかについて述べた。 |
講評 | 私のゼミでは卒論について、大学の正式な提出締め切りの前に、ゼミ内提出締め切りを設けている。なぜだかわからないが、それを守ることのできない学生が数年前から出現し始めた。就活は一時期より格段に楽になっている。だから卒論に取り組む時間は十分取れるにもかかわらずである。 ゼミ内提出締め切りを守ることができないという学生に何度か遭遇する中で気がついたことがある。結局、卒論の良し悪しは、大学の正式な提出締め切りの前、ゼミ内提出締め切り時から変わらないということである。これが意味することは簡単である。ようは執筆にかけることのできた時間に卒論の完成度は比例するということである。ある程度時間をかけて卒論を執筆することのできた学生の卒論は、お酒と同じで、執筆期間中に熟成を遂げる。つまり、最初は先行研究をなぞるだけであったものがじょじょにじょじょに熟成し、他者の言葉ではなく自分の言葉で書き始める。つまり、先人の思考と格闘したのだ。その結果として自分の思考と言葉を獲得したのだ。 一方、大学の正式な提出締め切りにギリギリに間に合う形で提出された卒論はほとんどが他者の言葉をなぞるのみで終わっている。自分の言葉がないわけではない。しかし、その自分の言葉は熟成することなく、生まれ落ちたままほっとかれている。だから読む者の気持ちを魅くことに欠ける。 ゼミ内提出締め切りを守ることができない学生が出始めてから、内容以前に卒論の形式を守ることができない学生も出現した。形式は内容を規定するから、卒論執筆要領を守ることができない学生の卒論は読んでも、内容的に光るものあるいは光るものになるかもしれない原石に遭遇することがほとんどない。卒論という思考の格闘を味合うことなく大学を卒業していくという意味で、これはとても残念なことだと思う。しかし、人はあるようにしかあれないということなのであろう。 |
キーワード1 | キャッシュレス |
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