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学科 | 産業関係学科 |
年度 | 2016 |
ゼミ名 | 寺井 基博 |
タイトル | 労働時間を題材に日本の労使関係を考える |
内容 | 本稿では労働時間の研究を通して労使関係、特に仕事管理の難しさを明らかした。機会主義的に仕事を与えることができる動態的課業配分の下では、労働者の仕事管理のみならず、労働時間管理も容易ではない。職務を明確にしない労働契約による「仕事の柔軟性」とインセンティブとサンクションによる「労働者を頑張らせる仕組み」の二点が仕事の質を高めている。同時に長時間に及ぶ労働を、ある種経営側は黙認している。なぜなら、業績拡大に労働時間の確保は絶対不可欠であるからである。ゆえに、労働時間短縮と言いながら業務の効率化を図るも、そこに新たな仕事を入れられるのである。また、企業の労働時間短縮 の取り組みは「事後的」なものが多いような印象を受ける。年初の計画時点で、仕事量と労働時間の削減はできないため、当期の結果を次年度の効率化に活かす形でなされている。このように、機会的な仕事配分制では実質的な労働時間の削減には結ばないことから、法による労働時間規制は皮肉にも一定の効果が得られるのである。 |
講評 | 本論文は、長時間労働問題の主要因として、日本の労使関係の特異性に着目することにより、日本と欧米諸外国の労使関係の違いを明らかにしようとする力作である。長時間労働問題は日本企業の業績管理方針と密接な関係があり、業績管理方針の見直しなしにこの問題を解決することはできないことを指摘した点がよい。 |
キーワード1 | 長時間労働 |
キーワード2 | 生産性 |
キーワード3 | 能動的課業配分 |
キーワード4 | 仕事管理 |
キーワード5 | |
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