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学科 | 産業関係学科 |
年度 | 2016 |
ゼミ名 | 上田 眞士 |
タイトル | 教育と経済の関係性について |
内容 | 就職活動を通して学歴の壁が確かにあるということを感じた。今日の日本の大学に進学する主な理由は、良い企業に就職したいからということが挙げられている。学力があれば良い企業に就けるということであれば、それは国の経済を発展させるということにも繋がるのではないかと疑問を持った。つまり、教育と経済はイコールで結ばれる関係であるのかということである。本論文はそれを確かめるものである。 研究対象として、PISA調査にて過去連続トップを飾ったフィンランドと自国日本を比較する。また、フィンランドが学力世界1位だった理由、そして近年学力を下げている理由も調査していく。脱ゆとりを機に学力を向上させている日本の経済は学力と比例しているのか。また、学力回復の理由はゆとりを脱したことが理由なのか、その点についても調査を進める。それぞれフィンランドと日本のPISA調査の平均点や順位、そしてGDPの推移の数値から、経済と教育が密接に繋がりがあるか検証していく。 |
講評 | 各自の卒論テーマを大雑把に分野別に括ってみると、「女性労働&働き方改革&WLB」「長時間労働&ブラック企業&過労死問題」「グローバル化と経営改革」「報酬制度の成果主義改革」「教育改革と若年雇用問題」「地域経済活性化と金融機関」等々となっています。これらの主題が表現しているものは、一方での経済・経営のグローバル化や市場主義の展開、また他方では国内での種々の社会問題、労働問題の発生という、現代日本の雇用社会が展開しているダイナミズム、現実社会での当事者たちの苦闘に他なりません。たしかに個々の論文をとってみると、論理的な記述や掘り下げた問題把握という点で、精粗はあったように思います。しかし基本的には、卒論作成という大きな課題に対して、苦しい就職活動の中でもゼミ生皆が真面目に取り組んでくれた、そのように考えています。そこでここでは、一年を通した卒論作業を締めくくる講評として、研究や考察に際して私が大事だと思うポイントを簡単に指摘しておきたいと思います。 一つには、資料を調べて、文献を読み進めて、卒業論文を書く。その際に無理矢理な政策提言などはしないということが、実は大事だと思います。習い性のように政策提言することには、無意識に「判ったふり」をしてしまう、そうした落とし穴があるように思います。判らないところや、理解できないことがあるのが、むしろ当たり前だと開き直って下さい。文献を読み重ねていくうちに、曖昧模糊として漠然とわからないという状態から、具体的な疑問が次々に湧いてくるようになる。それが、理解が進むということなのだと思います。卒論作成を終えてみて、自分の取り上げたテーマについて、具体的な疑問が幾つも頭に思い浮かぶようなら、それで卒業研究の目的は、果たされたということになるでしょう。 そして、いま一つには、論文の内容にかかわって、「批判的」な研究であって欲しい、そうした要望です。現代の雇用社会の住人である我々が、その雇用社会の一断面を取り上げ、現に存在するものを正面から受け止めようとするわけだから、そこでは必ず何らかの課題意識や問題意識が生まれてくるはずです。そうした現実に対して抱く緊張感を、論理的に整序して記述しようする姿勢が、論文にとっては大事なことだと思います。近年、語られなくなったマルクスの言葉を借用すれば、一方では現にあるものをその存在の根拠から「肯定的」に理解すると同時に、他方では現実が抱え込んだ困難や矛盾を考察する「否定的」な把握も必要です。そして、それが問題把握や理解の深さ、広さに繋がるのだと思います。 まずは「隗より始めよ」。どちらも自分に返ってきそうなコメントですが、論文執筆や考察の際の心がけだ、そのように考えて下さい。 |
キーワード1 | PISA調査 |
キーワード2 | フィンランド |
キーワード3 | 学力 |
キーワード4 | 経済 |
キーワード5 | |
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