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学科 産業関係学科
年度 2016
ゼミ名 浦坂 純子
タイトル 地域特性からみる京都の老舗-伝統産業の在り方とは-
内容 本論文では、京都の老舗が他地域の老舗と比較した際に長寿であるという点に着目し、京都という地域特性が老舗の存続にどのような影響を与えているのかを文献をもとに明らかにした。その上で、多くの伝統産業が危機的な状況に直面している中でも、独自の革新をおこない、成長し続けている二つの老舗を事例に挙げ、今後の伝統産業の在り方を検討した。
事例を考察した結果、京都の老舗の特徴として、①町全体で共存共栄していくという意識が強く、後継者は地域と関わりを通して自然と倫理観や立ち振る舞いを身につけていくこと、②歴史的に困難な状況を何度も経験してきたので、先義後利・不易流行を重視していること、③大学や商工会議所などの支援機関と連携して、文化振興や人材育成に取り組んでいること、④京都という伝統産業のブランドを積極的に外へ発信していること、の4点が挙げられる。
以上のことから、今後の伝統産業の在り方としては、大学などと連携して、学生が少しでも伝統産業に触れる機会を増やし、後継者問題や人材育成に特に力を入れて取り組むことが課題であるという結論に至った。
講評 端正な文章で京都の老舗が生き残ってきた要因について分析している。地域における濃密な(ある意味閉じた)人のつながりが最大の強みだったと言えるが、少子高齢化、人口減少社会を迎えることで外に開かざるを得ないのか、開くことで強みは失われてしまうのかなど、現在実施されている若者向けの取り組みを踏まえた議論を期待したい。
キーワード1 京都の老舗
キーワード2 伝統産業
キーワード3 職人文化
キーワード4 地域社会との連携
キーワード5 伝統と革新
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