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学科 教育文化学科
年度 2016
ゼミ名 吉田 亮
タイトル 1940年代「市民的自由」の形成-ACLUの観た日系人強制収容-
内容 本稿では、1942年から1952年のアメリカ社会における、市民権擁護団体と日系人問題の相互関係性について論じた。先行研究では、市民権擁護団体と日系人の関係性という視点からの研究が行われておらず、当時の市民権擁護団体の性質が不明確であることを指摘した。そこで、本稿では、全米規模の市民権擁護団体であり、「市民的自由」を活動の中心にしようとするAmerican Civil Libereties Union(ACLU)に着目し、ACLUと日系人問題の関係性を明らかにしたうえで、日系人問題を経験したことによるACLUの「自由観」の変化について考察した。第1章では、1940年代のアメリカ社会と日系人について、また、設立から1940年までのACLUの活動を説明している。第2章、第3章では、ACLUの年次報告書と機関紙を用いて、当該年代におけるACLUの活動を分析し、ACLUの立場性と日系人問題への取り組みを明らかにした。そして、ACLUの「自由」の概念の変化に関して、日系人が関係していることを論述している。
講評 本稿は反ファシズム・反共イデオロギー即ち民主主義が喧伝される時期における日系人とアメリカ社会の関係について、ホスト社会のリベラリストを代表するACLU(American Civil Liberties Union)の日系人観を分析することで明らかにしようとした研究である。ACLUは当該時期のアメリカ社会にあって、ヒラバヤシ訴訟にみられるように日系人の公民権擁護のために法廷闘争を使って擁護した数少ない組織であったことは知られている。本研究はこうしたACLUによる日系人観を、当該組織の同時期の活動全体の中で位置づけ、意味合いを解釈しようとしたところに最大の特徴があり、従来にない切り口である。ACLUによる日系人問題への取り組みが、当該組織の「市民的自由」観形成に果たした役割が検討されている点は大いに評価すべきである。
キーワード1 ACLU
キーワード2 市民的自由
キーワード3 日系人問題
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