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学科 | 教育文化学科 |
年度 | 2016 |
ゼミ名 | 吉田 亮 |
タイトル | 1960~1970年代ヒーローが守ろうとしたアメリカ社会-スパイダーマンと青少年薬物乱用問題 |
内容 | 本稿では、1960年代から1970年代のアメリカ社会において、コミックスと当該社会の関係性について論じた。これまでの研究では、アメリカンコミックスに描かれるスーパー・ヒーローはそのコミックスが描かれた時代や人々を反映されるという見方がなされていた。しかし、実際に社会がどのようであったかを分析したうえで上記のようなコミックスと社会の関係性について論じた研究はほとんどなかった。そこで、事例としてマーベルコミックスのスパイダーマンを取り上げ、1971年に描かれた薬物乱用の描写に着目し、当該年代のアメリカ社会が抱えていた薬物問題とともに分析することで、アメリカ社会とコミックスの相互作用について明らかにし、アメリカ社会におけるコミックスの役割に打ち手新たに考察した。第一章では、1960年代から1970年代のアメリカ社会とアメリカンコミックスの通史について説明している。第二章では、アメリカ社会における薬物問題について明らかにし、第三章では薬物問題について描かれた実際のコミックス、それに対する大衆の反応、著者スタンリーについて分析を行っている。この中で、社会とコミックスの関係性だけではなく、当時のアメリカ社会のコミックスに対する新たな解釈を提示した。 |
講評 | 本稿は公民権運動器におけるコミックとアメリカ社会の関係についてマーベル社のスタン・リーが政策委したスーパーヒーローであるスパイダーマンと当該時期における青少年薬物乱用問題への対策を分析することで明らかにしようとした研究である。アメリカンコミックに演出されるヒーローが当該時代の社会が持つ苦悩や希望を描いてきたことは知られている。コミックが当該時代が抱えている社会問題に対する具体的なアプローチを、上記事例を用いて明らかにしようとしている。すなわち政府が青少年による薬物乱用問題に着目して対処法を展開していた時期に、当該問題防止のためのキャンペーンにスパイダーマンが演出されるに至った経緯を分析した点は大いに評価すべきである。 |
キーワード1 | アメリカンコミックス |
キーワード2 | アメリカ社会 |
キーワード3 | スパイダーマン |
キーワード4 | 薬物 |
キーワード5 | スタン・リー |
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