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学科 教育文化学科
年度 2016
ゼミ名 吉田 亮
タイトル 1920年代北部アフリカ系と非可視化-チャールズ・W・チェスナットが始めた公民権運動-
内容 本稿ではアフリカ系公民権運動における文学の立ち位置についての研究を行った。先行研究では政治と文学は異なる領域のものとして位置づけられた。政治活動はあくまでも政治史で、文学は文学史で語られてきた。しかし公民権運動はアフリカ系全体にかかわる話であり、個の力のみで地位向上を目指したわけではない。そこで本稿では1909年に設立され、公民権運動の中枢を担ってきた組織であるNAACP、そしてこの組織と協力し合いながらも、彼(女)らとは違った方法や主張のもとに地位向上運動に努めてきた人物に焦点を当てた。本稿ではアフリカ系作家の1人でもあり、先行研究内でNAACPへの関与が記されているチャールズ・W・チェスナットを取り上げ、政治と文学の関係性についての考察を行った。第1章ではアフリカ系の歴史と事例として取り上げるアフリカ系文学者、チャールズ・W・チェスナットの経歴について概観した。続く第2章ではチェスナットの論説、作品からその主張の読み取り、最後の第3章では公民権運動の中心にいたNAACPの活動とチェスナットの関係性についての論証をそれぞれ行った。
講評 本稿は、優生学運動の影響で人種排外主義が拡大する時期におけるアフリカ系集団とアメリカ社会の関係性について、アフリカ系作家チャールズ・W・チェスナットの諸活動がアフリカ系公民権運動形成期に及ぼした影響を見ることで明らかにしようとした研究である。チェスナットは「パッシング」をテーマとする斬新な文学をアメリカ社会向けに作成したことで知られている。本研究は作家チェスナットのそうした「パッシング」をテーマとする作品が持つ当該社会における意味合いだけでなく、さらに研究を一歩進めて彼が有色系地位向上協会(NAACP)を介してアフリカ系の地位向上に及ぼした具体的な影響や貢献についても分析しようとしたところは大いに評価されるべきである。
キーワード1 公民権運動
キーワード2 パッシング
キーワード3 チャールズ・W・チェスナット
キーワード4 文学
キーワード5  
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