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学科 教育文化学科
年度 2016
ゼミ名 吉田 亮
タイトル 1950年~1964年暴力が導いた「非暴力」運動-Emmett Tillのリンチ事件を事例に-
内容 本稿では、1950年代から1964年のアメリカ南部において、班リンチ運動がアメリカ社会に与えた影響について論じた。事例として、アフリカ系であるエメット・ティルのリンチ事件を取り上げ、その事件に対する、その事件に対するアフリカ系や白人の反応を分析し、両人種がアフリカ系の地位向上にどのような役割を果たしたのかについて考察を行った。これまでの研究では当事件が、公民権法制定への引き金となったと説明する一方で、その根拠を影響については言及されておらず、当該期における反リンチ運動について述べられていなかった。そこで、アフリカ系地位向上協会や人種差別意識の強い南部に焦点を当て、両者が当事件をどのようにとらえていたかを明らかにすることで、反リンチ運動がアメリカ社会に与えた影響を新たに考察した。第一章ではアフリカ系の歴史や公民権運動について説明を行い、第二章では事例を取り上げてアフリカ系の反応や反リンチ運動を明らかにし、第三章では現地の新聞を用いて、南部の反応やリベラルな白人の活動について分析を行った。
講評 本稿は、冷戦体制下に台頭する公民権運動隆盛期におけるアフリカ系集団とアメリカ社会の関係性についてミシシッピ州で起こったエメット・ティル事件と公民権運動の相互関係性を分析した研究である。反リンチ運動やエメット・ティル事件勃発後生まれた反リンチ意識がアフリカ系の地位向上運動、公民権運動や公民権法制定に大きな影響を及ぼしたことはよく知られている。本研究はそうした両者の関係性がどのような社会コンテクストすなわちNAACPに代表されるアフリカ系リーダーやミシシッピ州の白人リーダーの意識変化のプロセスから起こったのかを、分析することによって、最終的には反リンチ運動や意識形成と公民権運動との関係性を明らかにしようとしたところは大いに評価されるべきである。
キーワード1 アフリカ系
キーワード2 反リンチ運動
キーワード3 エメット・ティル
キーワード4 公民権運動
キーワード5  
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