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学科 教育文化学科
年度 2016
ゼミ名 井上 智義
タイトル 青年期の劣等感:理想と現実の自己の差に着目して
内容 本稿は、青年期の人々の理想自己と現実自己との差異と劣等感の関係、そして劣等感を感じた後の反応行動を明らかにすることを目的に行った。その結果、他者の存在を意識しやすい青年期であるからこそ、理想と現実の自己のズレによって劣等感を感じていることが分かった。劣等感とは他者との間に生じる感情であるが、対人関係だけでなく自己をどれだけ受容しているかということと深いつながりがあるのである。自己を直視することに抵抗を感じつつも視野の広がりを活かして自己の見つめることが重要であると言える。また様々な反応行動がある中で、「補償」が劣等感と最も結びつきと考えられる。悲哀感情と自己肯定感情とそれぞれ関連しているからである。今後は補償がプラスな方向だけではなくマイナスの方向に向かう側面があるということも念頭に置かなければならない。
講評 私が指導する論文は、心理学の領域に限っているが、内容は、基本的には、学生本人の興味関心にゆだねているので、今年度もさまざまなテーマで各自が論文作成に取り組んだ。3回生のゼミから同じテーマで研究を深めた人がいる一方で、グループ研究でおこなったテーマとはかなり異なる内容に挑戦した受講生も、少なからずいた。10,000字の制限がある卒研については、本人が調査をすることなく、その領域での先行研究の論文10本以上をレビューするとともに、今後のその研究領域での展望を見据えたものを執筆することを課題とした。また、20,000字の卒論では、複数の心理学的な調査をおこない、その結果を考察することを課題とした。ゼミ全体では、16本の論文が提出されたが、今年度は、面白みのある視点が備わったものが多かった。なかには、査読付きの論文として投稿しても、学術誌に立派に掲載されるレベルのものもあった。全体としてのレベルは高かった。
キーワード1 劣等感
キーワード2 理想自己と現実自己
キーワード3 補償
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