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学科 | 社会福祉学科 |
年度 | 2016 |
ゼミ名 | 空閑 浩人 |
タイトル | 「出会い系のシングルマザーたち」の貧困と孤立―セックスワークの視点から見るセーフティーネット― |
内容 | 近年女性のサポートをうたい文句にする風俗店が増えており、貧困に陥り、駆け込むシングルマザーが増えているという。金銭的な支えだけでなく、保育の機能、そして彼女らの精神的支えとなる「裏のセーフティーネット」となっていた。支援されるべきシングルマザーがなぜ福祉ではなく性産業に頼らなければならないのか。性産業をシングルマザーが頼ってしまうような背景を把握する。しかし性産業には落とし穴があり、そこから零れ落ちていくシングルマザーは個人売春の中にいた。次に風俗店に所属することもできず、出会い系サイトを介して売春をするシングルマザー、「出会い系のシングルマザーたち」のニーズや課題、出会い系サイトでしか生きられない理由を把握する。彼女たちは社会にも、同じシングルマザーたちにも批判されることに怯え、孤立していた。「出会い系のシングルマザーたち」を今後どのように支援していくべきか、実際にセックスワーカーを支援する団体の活動を通して考えていく。 |
講評 | 本論文(「『出会い系のシングルマザーたち』の貧困と孤立―セックスワークの視点から見るセーフティーネット―」)は、単身女性の貧困問題について果敢に挑んだ力作である。性産業に頼らざる得ないシングルマザーの現状に鋭く切り込み、支援団体の活動についても論究している。社会福祉の課題として取り組むべきという筆者の主張が伝わる。 同志社大学空閑ゼミ第13期卒業生となった今年度のメンバーは、17名が無事に卒業論文を提出した。非常に多彩なテーマがそろったが、いずれのテーマも、社会のなかで、あるいは地域の一員として「人が生きて、生活すること」にかかわる社会福祉の学びにおいては、避けることの出来ない非常に重要な課題である。同時に、非常に「重い」そして「深い」課題でもある。ゼミメンバーの卒業論文を通して、社会福祉研究における対象の広さ、深さや多様性、そして様々なテーマの相互のつながりと関連性、個人が体験する生活問題に対する社会的かつ構造的なまなざしの大切さに、改めて気づくことができた思いである。 卒業研究とその成果としての卒業論文は、メンバーによって、確かに出来不出来はある。もう少し早くから取り組んでいたら、もう少し多くの文献を読み込んでいたら、もう少し考察を深めてくれたら、もう少し丁寧に調査ができていたら、などと思う論文もある。しかし、「学問」の営みはこれで終わるわけではない。卒論の完成は、新たな問いや学び、考察への出発点でもある。4月以降もそれぞれの新しい場所で、「問い」続け、「学び」続け、そしてその問いや学びを誰かと(もちろん私も含めて)共有して行って欲しい。 |
キーワード1 | シングルマザー |
キーワード2 | 孤立 |
キーワード3 | 貧困 |
キーワード4 | セックスワーク |
キーワード5 | 出会い系サイト |
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