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学科 産業関係学科
年度 2008
ゼミ名 石田 光男
タイトル 労働における身体運動の熟練―労働研究におけるスポーツ科学の応用可能性と人間工学―
内容  ホワイトカラー、ブルーカラーに関係なく、労働には必ず身体運動が伴う。近年、労働における身体運動に関する研究は主に人間工学の領域で行われてきたが、その主たる研究は疲労研究や外部環境の設計研究などであり、既存の労働環境における労働力あるいは労働生産性の向上のための熟練身体運動研究はそれほど盛んに行われていないように見受けられる。そこで、本論文では、労働力向上のための熟練身体運動研究の重要性を説き、ヒトの身体運動における熟練特性を把握、効率的熟練化への道程を示している。その際、身体運動の熟練特性に関する知見を長年の間、蓄積してきたスポーツ科学を、人間工学とともに、労働研究へ応用すべきとの主張を行っている。また、効率的熟練化を可能にするであろう映像フィードバックを用いた訓練手法の介護業務への導入を提案している。
講評 本年度から卒業論文の口頭試問を実施した。教員にとって負担も増えるが、これはすべきであると思っていた。実際、行ってみて学生にも緊張感があり一つのけじめとして意義がある。私自身も例年よりも卒論指導を早めにし、発表も徹底するようにした。学生、教員いずれにも効果がある。
 卒論はいかに稚拙であっても、学生時代の決算ではある。いかに決算するか。そのさせ方に各人の個性が潜んでいるのがいい卒論だろう。問題意識が明確であるか、関連の研究に目を通しているか、その評価が自分なりの尺度をもってできているか、深く人一倍考えた点があるか。このあたりが私の着目している点である。とはいえ、それらがきちんとできるには30歳くらいまで勉強しないとだめで、卒論の評価の具体的基準は、論旨が通っているか、文献の数は多いか、正確に脚注が付されているか、という次元がものをいう。
 私の本当の願いは、形式がおかしくても、結論も定かでなくても、人一倍こだわり考えたことがこういうことですと表現できている論文に出会いたいということだ。強烈な深掘りと言うべきか。
 私自身の卒論の口頭試問については汗顔の記憶ばかりが残っている。主査が中西洋先生、副査が兵藤つとむ先生で、なんと40分の遅刻、しかも兵藤説は間違っているという内容、かつ兵藤先生の質問の意味がわからず中西先生に助けられて答える始末。それでも、そんなことが40年近く前のことでも鮮明に思い出されるのが今では懐かしい。
キーワード1 熟練
キーワード2 スポーツ科学
キーワード3 人間工学
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