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学科 産業関係学科
年度 2016
ゼミ名 阿形 健司
タイトル 農協の必要とされている役割とは
内容 日本の農業を支える組織として農協という組織があるが、本当に農協は必要な存在なのかという疑問を軸に話を進めていく。第一章では日本農業の現状を把握するために日本の農業の経営体数、農業従事者数、活用されている農地や日本の農作物の生産量や外国との輸入の関係、日本の今後の農業に関する目標などを述べ、次に第二章では農協の歴史、事業をみていった。特に農協の中でも販売事業は個人の農家でも可能ではないかと感じ、第三章では通信販売に注目しインターネットを使用した農作物の販売について調べ、消費者の需要が十分あることがわかった。そこでなぜ依然として農協を利用をする農家が多いのかという疑問を明らかにするために第四章では1つの農家に聞き取り調査を行った。すると国が行っている減反政策や農協を通さないと販売できない加工米の存在、個人で販路を開拓する効率の悪さなどが明らかになった。結果、安定した販路として毎年利用できる農協という存在が農家にとって大きいことがわかった。
講評 2016年度の卒業論文について特筆すべきことは、一次資料を利用した人が多かったことと、採用した分析手法が多様であったことである。たいていの人が文献情報のみに基づいて卒論を書こうとするのに対して、ゼミ生16人のうち9人が何らかの形で聞き取り調査を行ったのは、おそらくゼミ始まって以来の実施率である。およそ16年間の学校教育の集大成として卒業論文という作品があるとすれば、著者固有の独自資料を手がかりに作品製作に携わったことは大いに評価できる。また、昨年度につづき、既存統計資料の二次分析に果敢に挑戦した人が現れたことも大いに評価したい。
とはいえ、一次資料を使って書いた卒論が全て論文として満足のいく水準に達しているかというと必ずしもそうとは言いきれない。長い時間をかけて質問項目を吟味し、念入りに調査設計を行った上で実施した調査と、準備不足のまま見切り発車で実施した調査とでは自ずと結果の品質が異なってこよう。せっかく調査をするのだから、事前の準備をしっかりと行い、悔いのない形で調査を実施できればよかったのにと、少し残念に思うところがある。
16人のうち7人は、文献情報に基づいて卒論を書いた。歴史研究、国際比較、将来予測、政策提言などテーマは多岐にわたっている。こちらも、丹念に証拠を集めて説得的に持論を展開したものから、主観的な願望が先行して根拠があいまいなまま自説を展開したものまで水準はさまざまである。結局のところ、一次資料を使おうが、文献二次資料を使おうが、どれだけ卒論執筆に真摯に向き合ったかということが作品の出来映えに表れている。執筆者各自は、自分の胸に手を当てて大いに反省してほしい。
これから卒論を書こうとする下級生にひとつアドバイスをするなら、学校教育の集大成たる卒論の執筆がうまくいくかどうかの半分ぐらいは、テーマ選択に依存していることを肝に銘じてほしいということだ。テーマ選択を誤るとどんなにがんばってもよい論文は書けない。それほどテーマ選択には時間をかける必要があるということである。もちろん、テーマを選ぶためには関連する先行研究を探索して吟味し、検討することが欠かせない。結局のところ、ちゃんと勉強すればよい論文が書けるけれども、勉強しないと満足のいく成果は得られないという、極めてありきたりな結論に至る。
キーワード1 農協
キーワード2 販売
キーワード3 家族経営
キーワード4 兼業農家
キーワード5  
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