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学科 社会福祉学科
年度 2016
ゼミ名 山田 裕子
タイトル 高齢者の就労
内容 超高齢社会である日本では様々な問題がある。その問題のひとつに生産性への不安が挙げられるが、高齢者の就業率は年々増加傾向にあり、他国と比較しても非常に高い。また高齢者の就業意欲も高く、経済上の理由だけでなく、いきがいや居場所として就業を求めている。
しかし、実際には就業率と就業意欲が結びついていないのが現状である。日本の高齢者の約5人に1人が貧困ライン以下の生活をしているが、高齢者の働き方はパートタイムや非正規雇用が約7割を占めており、高齢者の働きやすい環境を整える必要がある。企業側の高齢者雇用についての意見では、高齢者雇用に対するマイナスの面を考えている企業が多い。高齢者に適した仕事、体力面などで仕事を割り当てることが難しいと考えている。
そんな中、高齢者を積極雇用している企業もある。高齢者の蓄積してきた経験や知識、ノウハウを高く評価しているのだ。このように、高齢者の積極雇用は推進されるべきだが、それと同時に働く環境を整える必要性が増してくる。そこで高齢者の働きやすい環境の整備の必要性と、一人ひとりが高齢社会への強い関心や意識を持つことの重要性を論じ、研究のまとめとする。
講評 高齢者の就労は、超高齢社会で懸念される「生産性」を補う意味からの議論も多い中、2人のお祖母さんが70代で現役、「ずっと働いていたい」とさえ仰り、それぞれいきいきとその生活を送っておられることから、高齢者が働くのことの経済的必要性からの議論だけでなく、生活の中における働く事の意義を感じて、このテーマが選ばれました。しかし、日本のデータで見ていく中、高齢で働くことに問題も発見しました。第1には、高齢者の貧困率は高く(19。4%、2010)、生活保護世帯は全年代の受給世帯の半数以上(50。8%、2016)であり、日本の高齢者の高い就業意欲が、高齢者自身の経済的要請から来ていると想定されること、第2には、高い就業意欲が必ずしも実際の就業に結びついていないこと、さらには、高齢者の幸福度の研究からは、趣味や旅行などを実行する時間を確保できる雇用がない、ということでした。そこで、日本をはじめ、国際的な高齢者の雇用慣行なども調べ、実際に地元で出会った働く高齢者3名へのインタビューも行い、文献研究で得た知識の裏付けもとり、高齢者の働く環境の改善にむけての提言を結論としました。充実した卒論に仕上がったと評価できます。この論文の手堅い進め方は、高齢で、働くことを続けておられるお祖母さんからの影響を感じずにはいられませんでした。
キーワード1 超高齢社会
キーワード2 労働者不足
キーワード3 定年
キーワード4 就業
キーワード5 積極雇用
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