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学科 社会学科
年度 2016
ゼミ名 鵜飼 孝造
タイトル 平等か差別か:女性の社会進出と社会
内容 最近流行の言葉‘女性の社会進出’を、一度男性側から考察したいと思ったことが本論文を書いたきっかけである。女性の社会進出に関しては、‘社会構成員の半分である女性の力を使うと言うことで、国の競争力が向上する’と言われ、良い側面のみ知られているが、その裏面を考える機会はなかった。まず、1章では日本の状況を把握した。OECDや内閣府男女共同参画局の資料に基づき、現在日本の女性が政治や経済での参加率や構成の割合を分析した。2章では、女性の社会進出を勧めるため、韓国で行われた女性クォータ制度を用いて‘差別’と言う概念を深く考えてみるパートにした。続いて、女性クォータ制度に対する賛成・反対の意見をまとめた。次はクォータ制度に関して、または女性の社会進出を考える前にジェンダー平等と言う概念を考察した。なぜクォータ制度が必要なのか、あるいはなぜ差別を減らすべきか考えるパートである。3章では韓国における男性の逆差別を紹介し、女性の社会進出の裏面を述べた。男性が家長である文化圏の我々にとって、女性の社会進出は男性の立場を奪う原因の一つだと結論付けた。
講評 著者によれば、近代化の中で韓国は日本から多くを吸収したが、女性の社会進出やクォータ制の導入に関しては、あきらかに韓国が先に進んでおり、その負の側面を分析している。たしかに現状では、男性に不利な政策も多く、逆に多くの女性は平等政策の恩恵を享受しつつも、旧来の「旦那に依存しつつ良妻賢母を理想とする」生活にあこがれるという。著者は男女平等の理念には賛成するものの、クォータ制のような制度には反対の立場を表明している。これは、ネオコンサーヴァティズムと同じ考えである。評者からは、制度の逆機能の分析こそが重要なのであって、それは男女平等の是非を論ずることとはまったく別の、きわめて社会学的な問題だということを確認したい。
キーワード1 ジェンダー平等
キーワード2 女性クォータ制度
キーワード3 男性逆差別
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