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学科 | 社会学科 |
年度 | 2016 |
ゼミ名 | 鵜飼 孝造 |
タイトル | 人力車の営業にみる観光ニーズの変化 |
内容 | 2013から2014年にかけて人力車の営業職において売上が急増する者が現れだした。旧来の営業スタイルで伸び悩んでいる者とその営業内容を比較すると、観光客にわかりやすいトークを展開しつつ人力車の写真サービスを強調した内容で、これまであまり車夫がターゲットにしてこなかった若年層が客のメインとなって高単価で乗車していることがわかった。次に同時期の社会変化に注目してみると、Instagramユーザーと、京都における和服レンタルショップの台頭がみられ、これによる撮影ニーズの急増に対応できた車夫だけが売上を伸ばしたと考えられる。また近年は本来の「狭義の観光」以外の情報が、旅行業界において氾濫しているために、かえって人々は観光プランを立てづらくなっている。InstagramをはじめとするSNSを情報の発信源として活用するのはもちろん、若年層の乗車があまり見込めない他の地域では、観光プランを定め切れず時間を持て余している人に対して、有意義に観光を行える手段としてアピールできるかどうかが、今後の人力車業界の命運をわける鍵だ。 |
講評 | 著者自身が人力車の営業職として活躍してきただけに、この論文の内容にはリアリティが感じられた。人力車というノスタルジックな観光手段が、いつのまにかInstagramなどの写真メディアにとって格好の被写体になり、特に京都においては和服のレンタルと合わさって、若い人たちのなかで爆発的なブームを引き起こしたという記述は、圧巻である。しかし、それにとどまらず、この論文では車夫を営業職としてとらえ、そのようなブームをつかまえるために、どのような能力が重要なのかが分析されており、単なるブームやメディア社会化の分析にとどまっていないところが高く評価できる。 |
キーワード1 | 人力車 |
キーワード2 | 営業 |
キーワード3 | 観光 |
キーワード4 | |
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