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学科 | メディア学科 |
年度 | 2016 |
ゼミ名 | 小黒 純 |
タイトル | 奈良県情報誌『ぱーぷる』の研究 |
内容 | 現在、情報化社会、グローバル社会で、世界中の様々な情報が一瞬で手に入れることができる。そんな中、本論文では、「タウン誌」の必要性について研究する。奈良のタウン情報誌「ぱーぷる」を、他の雑誌との比較や、10年間の変遷を分析して、その役割や目的について研究してきた。その結果、「ぱーぷる」は、あまり知られていないようなコアな部分に焦点を当てて紹介していることが多いこと。過疎地域と呼ばれるような市町村を多く紹介し、地域に貢献していること。また、「場所」ももちろんだが「人」に焦点を当てた掲載内容が著しく多いこと。が認められた。これは、岡村(2013)が述べていた「自らそのエリアに居住し、生活し、自分の足で歩き、人々の日常を日々観察し、こつこつとインタビューを集め、丁寧に記述する」(p272)といったローカル・メディアに当てはまっている。このようなローカル・メディアを発行し続けられるのは、そのエリアの情報への欲求とともに、それを応援する人びとがいて、地元、そして地元での生活への愛着があるからだろう。岡村はまた、「紙や電波などの媒体だけでなく、人や場所もある種のメディアとするならば、『谷根千』の編集者やそこに暮らす人々もメディアであり」(p48)と記述している。これは「ぱーぷる」にも当てはまる。紹介されている街、雑誌のつくり手や紹介されている住人、そして読者もすべてメディアの役割をしている。人と地域とのつながりをつくり、「地元愛」を創出するものが「タウン誌」であった。 |
講評 | 大学院博士課程のKさんが、ティーチング・アシスタントとして卒論の指導補佐にあたった。その支えが大きかったこともあり、総じて例年以上の水準に達することができた。 特筆すべきは、全員が先行研究の収集と整理を行ったうえで、研究の目的と方法を考えることに時間を割いたことである。つまり、研究の土台作りをして進めるという、研究(論文作成)の王道を歩んだことが、結果的に内容の充実に結びついたと言える。 研究対象を見ると、メディア別では、新聞が7本と最も多く、テレビ番組が続いた。そのほか雑誌、タウン誌、音楽映像コンテンツ、SNS、コミック誌、映画などと広く分散した。研究方法としては、内容分析が多数を占めた。その一方、理論研究や、何らかの理論を事例に適用させた研究はなかった。 コンテンツ別ではスポーツが5本にのぼった。五輪、フィギュアスケート、箱根駅伝、米大リーグ、空手とこちらも多岐にわたった。 卒論の取り組みの時期は、「早め、早めに」という再三の求めにも関わらず、ギアが入ったのが11月に入ってという者が大半だった。その結果、最終盤になってチェックすべき論文(原稿)が殺到した。12月には教室を丸1日借り切っての<日帰り合宿>を3度設けた。11月末には大方完成させて、12月には悠々と春休みの旅行計画を立てる、という目標は、今年度も「まぼろし」と終わった。 しかし、各ゼミ生は自らの卒論のステージがどんどん上がっていくことを実感できたのではないだろうか。どの論文も個性的で、おもしろいと感じた。 私にとっても貴重な体験だった。論文はぐぐっと向上し、ゼミ生自身もぐんぐん伸びる。その後押しをさえてもらったのだから。しんどい思いもしたけれど、最高に楽しかった。ゼミ生のみんなに感謝している。 |
キーワード1 | 地域メディア |
キーワード2 | ローカルメディア |
キーワード3 | タウン誌 |
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