詳細 | |
---|---|
学科 | メディア学科 |
年度 | 2016 |
ゼミ名 | 竹内 幸絵 |
タイトル | 「挑戦者の広告」 -日本における比較広告の受容- |
内容 | 人々の生活には比較をするという行為はとても一般的で、有用である。しかし、日本において、現状では比較広告というものはあまり積極的に取り入れられているものではない。その原因として、日本の広告業界では、他社製品をこき下ろし、自社製品の優位性をアピールする比較広告の手法が、和を重んじる日本文化において馴染まないという理由が挙げられると考えられてきた。しかし、私自身は日本人の文化を取り入れ、比較広告が発展していっているのではないかと考え、その点について研究した。中でも、メタファーによる新しいタイプの比較広告について、従来の一般的な比較広告や通常の広告表現と比較し、考察を行った。その結果として、メタファーを用いた比較広告は、比較広告のメリットを維持したまま、他社製品をこき下ろすことによって生じるネガティブな印象が通常の比較広告と比べると、低く抑えられているという結果が導き出せた。そして、そのメタファーを用いた比較広告は、視聴者に想像させる隙を与えつつ、一方で文化に根付いた共通認識によって、意図した方向に思考をコントロールすることによって、この結果が得られているという結論に至った。 |
講評 | 比較広告は日本では受け入れられない、という定説を、今日的な視点で再分析した論文。ゼミでは場を和ませるキャラクターの持ち主だが、私からの「セカンドという立場に固有の広告表現があるのでは?」という小さなアドバイスを契機に、文献の読み込みや事例研究を自力ですすめ、セオリーを踏んだ論文に仕上げてくれた。日本人が持っていると言われる他者(社)をおとしめる事への抵抗、和を重んじる、といった感情に一定の理解を示しつつも、現代は新しいタイプの比較広告が登場しており、それに対しては抵抗が無くなっていると断じる。彼の考える新しい比較広告手法とは、視聴者の想像メタファーで視聴者自身に比較させるという演繹的なものだ。直接は表現されていない事柄を自分の印象に基づいて比較させる手法であればは視聴者の印象を悪化させることはないという彼の結論は、卒論にとどまらない、広告研究にとって検証する価値のある視点であろう。 |
キーワード1 | 比較広告 |
キーワード2 | メタファー |
キーワード3 | 日本文化 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
戻 る |