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学科 メディア学科
年度 2016
ゼミ名 竹内 幸絵
タイトル お月見どろぼうは文化となり得るか-生駒市北大和を事例に-
内容 本論文では、お月見どろぼうの起源や歴史、奈良県生駒市北大和におけるお月見どろぼうの実態を調査したうえで、お月見どろぼうは文化といえるのか考察している。お月見どろぼうとは、中秋の名月の夜に子供たちがまちを歩き回り、家の軒先においてあるお菓子を盗むという行事である。考察を行うにあたり、文献を参考にしてお月見どろぼうの起源と歴史を述べている。起源は子どもの悪戯ともいえる行為である。また、歴史についてはかつては全国的に行われていたが現在では限られた場所のみで行われていると判明した。生駒市北大和におけるお月見どろぼうの実態については、まちの人々にインタビューすることで明らかにした。北大和のお月見どろぼうは、古くからある隣町の影響ではじまったということであった。また、北大和以外にもお月見どろぼうを行っている地域についても文献、新聞記事、インタビュー等から調査し、北大和のお月見どろぼうの特徴を見出した。結果として、お月見どろぼうはまちに交流や様々な意義を与えており、文化として成立していると考察した。
講評 子供のころから親しんだあたりまえと思っていた行事「お月見どろぼう」が、実は極めて狭い範囲に限定された地域固有の行事であることに気づき、これを探究したいとテーマに選んだ。基本情報調査では、彼の居住地である北大和の街の特質の振り返りと、そもそもお月見とはどのような行事かという文化史研究を行った。本論では北大和での聞き取り調査、同様の行事がある千葉での聞き取り調査と足を使った取材を重ねた。それらを総合して、比較的新しい街である北大和における「お月見どろぼう」が持つ、伝統と格式ではない文化的意味を見いだすことに成功した。古い町と新興住宅の融和を図る地域コミュニケーション論へも思考を深めていった。卒論発表会で私は「異色」と呼んでしまったが、ジャーナリスティックな取材をもとに地域文化論に発展していく、メディアの卒論にふさわしい内容に仕上がったと思う。
キーワード1 お月見どろぼう
キーワード2 生駒市北大和
キーワード3 文化
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