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学科 社会学科
年度 2016
ゼミ名 立木 茂雄
タイトル 防災リテラシーが「不確実な損失に対するリスク追及バイアス」に与える影響についての研究-2015年兵庫県県民防災意識調査の結果から-
内容 本論文の目的は、防災の分野においてプロスペクト理論の想定する不確実な損失に対するリスク追求バイアスが存在することを明らかにし、その上でそのバイアスにとらわれずにリスク回避行動を可能にさせる要因について検討することである。分析には、2015年に人と防災未来センターが行った兵庫県県民防災意識調査(N=1103 回収率39。3%)を使用した。結果として、「地震災害や対策について強い関心・興味がある」「地震災害や対策についての十分な知識を持っている」「地震対策について、家族や身近な人と話し合っている」「地震時のとっさのときにうまく行動できる」「地震対策にはお金をかけている」の5項目の主成分得点からなる「防災リテラシー」得点を作成し、この「防災リテラシー」得点が高い人は地震ハザードリスク理解、人的・物的被害理解が高まるにつれてリニアにリスク回避を選択する一方で、そうでない人は中程度以上の地震ハザードリスク理解、人的・物的被害理解ではリスク回避を諦めることが明らかとなった。
講評 確実に出費を行ってより大きな損失のリスクに備えるか、何もしないで難を逃れるチャンスに賭けるか(賭けに負ければ、より大きな損失になる)という不確実な損失場面で、人間はチャンスに賭けるリスク追求に傾きがちになることを兵庫県県民防災意識調査結果から確認しました。そして、阪神・淡路大震災で激甚な被害を経験した人たちや、防災リテラシーの高い人たちでは、このようなバイアスが抑えられることを発見しました。
キーワード1 プロスペクト理論
キーワード2 防災リテラシー
キーワード3 リスク回避
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