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学科 社会福祉学科
年度 2017
ゼミ名 黒木 保博
タイトル 父子福祉の実現に向けて―父子世帯の現状と課題およびその解決策―
内容 子どもの貧困」が社会問題として取り上げられる中で、特に母子世帯の貧困が注目されている。一方で、同じひとり親世帯である父子世帯は母子世帯と比較して、ひとり親支援施策、ひとり親世帯研究の両方において等閑視されてきた。それは、父子世帯が母子世帯と比較して少ないこと、また経済的困窮の度合いが低いと考えられてきたことによる。しかし、2014年に「母子及び寡婦福祉法」が「母子及び父子並びに寡婦福祉法」に改称されたように、徐々に父子世帯への関心が高まりつつある。
そこで本研究では、父子世帯研究の3つの視点「ジェンダー」、「仕事と家事・育児の両立」、「子ども」に則り、父子世帯の抱える課題を整理し、その解決策の検討を行った。
今後、父子福祉の実現のためには、父子世帯研究の進展、母子世帯支援の対象を拡大しただけにとどまっている父子世帯支援の見直し、子どものための「語りの場」の導入が必要である。
講評 卒業論文発表会では17人(1名が欠席)の発表終了後、TAのH氏(大学院博士前期課程生)からのコメント、また黒木からのコメントをした。このコメント内容を卒論講評とする。

1.専門演習クラスにおいては卒論作成の進捗状況を各自3回発表した。その卒論作成準備(具体的には文献収集、発表内容の検討、レジュメ作成&内容)状況、そして発表日内容を評価した。例年通り「卒論作成のための準備」は二極化した。準備に時間とエネルギーを費やしていく卒論作成への熱意、積極性に大きな差が出てきた。
2.今年の卒論では、着目点のユニークさ、面白さが見受けられた。着目点は各自の問題性、課題性が理解できた。今年度は約半数が高齢社会に関するテーマであったが、内容には各自の着目点(視点)が出ていた。
3.毎年指摘しているが、早くからコツコツと時間をかけ、取り組んでいる卒論がある。これは読んでみればすぐに理解できる。章立てや内容展開等の構成力もしっかりとしており、読み応えがあるものであった。
4.卒論作成にあたっては、毎年のことであるが、実習体験、当事者性、見学での参与観察、インタビュー調査等を基礎にすることを奨励している。これを出発点とした卒論は執筆者の思いがよく伝わってきた。しかし、現場・現地にも行かずWEBや参考文献情報を駆使して、わかった(つもり)で書かれた論文内容には当然に「格差」があった。
5.つまり、卒論作成のねらいをよく理解して、自分に厳しく、自分を鼓舞して卒論作成に取り組んだ人がいる。一方では、できるだけ自分との戦いを避け、後回しにして「小手先」で書きあげた卒論もある。しかし、自ずと内容に違いが出てきていると判断できる。
6.卒論作成にあたって、ゼミ生に要求したことがある。卒論内容に「4年間学んだ社会福祉とは何か?の解答を書き込むこと」である。大学生活の集大成である卒業論文の作成・提出のプロセスで学んだことを、ぜひこれからの人生で生かしてほしい。

最後に、ゼミ生に文献指導や作成助言をしてくれたTAのH氏に感謝したい。
キーワード1 父子世帯
キーワード2 父子福祉
キーワード3 ジェンダー
キーワード4 ひとり親世帯の子ども
キーワード5  
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