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学科 社会福祉学科
年度 2017
ゼミ名 黒木 保博
タイトル 要介護高齢者の在宅、施設の選択について
内容 要介護高齢者の在宅、施設の選択とそれぞれの場合の本人と家族への支援について考えた。高齢者が介護が必要な状態となっても住み慣れた地域で出来るだけ長く暮らしたいと望むことは自然なことであるが、要介護高齢者が在宅で生活するには家族介護者の存在や状況が大きく影響するため、その選択は両者の生活の基盤の選択となる。要介護者と家族にはそれまでの歴史やそれぞれの思いを持っており、またどちらを選択してもメリットデメリットはあるため、両者が納得した自己決定をおこなうには選択の過程が重要となる。家族介護者の負担軽減のためには、介護者が一人にならないこと、介護者の家族体制の構築、介護から完全に離れる自由な時間を持つこと、介護のストレスを共有し相談できる相手を持つことが重要であると考える。また、施設入所は家族の身体的負担を大きく減少させるが、要介護者への罪悪感や施設の負のイメージが精神的負担を増加させるため、施設は入居者家族の思いに寄り添った配慮が必要であると考えられた。
講評 卒業論文発表会では17人(1名が欠席)の発表終了後、TAのH氏(大学院博士前期課程生)からのコメント、また黒木からのコメントをした。このコメント内容を卒論講評とする。

1.専門演習クラスにおいては卒論作成の進捗状況を各自3回発表した。その卒論作成準備(具体的には文献収集、発表内容の検討、レジュメ作成&内容)状況、そして発表日内容を評価した。例年通り「卒論作成のための準備」は二極化した。準備に時間とエネルギーを費やしていく卒論作成への熱意、積極性に大きな差が出てきた。
2.今年の卒論では、着目点のユニークさ、面白さが見受けられた。着目点は各自の問題性、課題性が理解できた。今年度は約半数が高齢社会に関するテーマであったが、内容には各自の着目点(視点)が出ていた。
3.毎年指摘しているが、早くからコツコツと時間をかけ、取り組んでいる卒論がある。これは読んでみればすぐに理解できる。章立てや内容展開等の構成力もしっかりとしており、読み応えがあるものであった。
4.卒論作成にあたっては、毎年のことであるが、実習体験、当事者性、見学での参与観察、インタビュー調査等を基礎にすることを奨励している。これを出発点とした卒論は執筆者の思いがよく伝わってきた。しかし、現場・現地にも行かずWEBや参考文献情報を駆使して、わかった(つもり)で書かれた論文内容には当然に「格差」があった。
5.つまり、卒論作成のねらいをよく理解して、自分に厳しく、自分を鼓舞して卒論作成に取り組んだ人がいる。一方では、できるだけ自分との戦いを避け、後回しにして「小手先」で書きあげた卒論もある。しかし、自ずと内容に違いが出てきていると判断できる。
6.卒論作成にあたって、ゼミ生に要求したことがある。卒論内容に「4年間学んだ社会福祉とは何か?の解答を書き込むこと」である。大学生活の集大成である卒業論文の作成・提出のプロセスで学んだことを、ぜひこれからの人生で生かしてほしい。

最後に、ゼミ生に文献指導や作成助言をしてくれたTAのH氏に感謝したい。
キーワード1 要介護高齢者
キーワード2 家族介護者
キーワード3 介護負担
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