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学科 産業関係学科
年度 2008
ゼミ名 冨田 安信
タイトル 日本の年金制度の今までとこれから
内容 現在日本の年金制度が大きく揺れ動いている。それが表面化したものとして、厚生労働省の年金記録改ざん問題や社会保険庁の杜撰な年金管理についてがマスメディアを通して私たちに発信されたのは記憶に新しいことである。世界経済の不況に加え、自分の将来を左右する社会保障に相次ぐ不祥事により、国民の不満はピークを迎えようとしているのだが、そこには日本型年金の制度的不具合が大きく関係していた。
私たちが成人して(正確には20歳以上60歳未満の日本在住者)からその加入が義務付けられる年金制度であるが、年金の種類は大きく分けて4種類存在する。
全て日本居住者に強制加入(但し支払いの義務は個人の判断による)が義務付けられる年金の土台とも言える国民年金保険、企業従業員(所謂サラリーマン)が保険対象企業で働いた場合加入することになる厚生年金保険、国家従業員(公務員全般)が加入することになる共済年金保険、サラリーマン、公務員の両者に当てはまらない人が加入する国民年金基金がそうである。
 日本の年金制度は大きな幹となる部分でも加入対象者の職業に応じて細かく分類されており、ここでは説明を省いている特例も数多く存在するのが現状である。まさに、自らの複雑さにより特例に次ぐ特例の制定を余儀なくされた「ツギハギ制度」であると言える。
 5年周期の年金制度改正時期である2009年を迎えた今年度、与党・野党は年金の土台と言える国民年金保険の改正に積極的に取り組むと予想され、財源確保が大きな焦点となる中で社会保険方式と税方式の2案が議論の中心となりそうである。
 いずれにせよ制度的転換期と言える現在の日本社会において、年金制度が占める重要度は大きいだろう。今後も政府の動きには注目が集まるであろうし、その一方で国民一人ひとりの将来に対する計画の見直しが必要であると考える。
講評 今年度から、産業関係学科では卒業論文の口頭試問が始まりました。先生2人がペアになって口頭試問をしますので、両方のゼミ生の卒業論文を読みます。また、口頭試問での受け答えで、学生がどれだけ真剣に卒業論文に取り組んだかがよくわかります。論文を読み、口頭試問での受け答えを聞けば、先生方がどのように卒業論文を指導しているかが見えてきます。今回の口頭試問で、「これではちょっとまずい。これから何とかしなければ」と強く感じました。学生だけでなく、先生もその気にさせるということも、卒業論文の口頭試問を始めた理由の1つでしょう。
キーワード1 年金制度
キーワード2 09年度改正
キーワード3 消えた年金記録
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