| 詳細 | |
|---|---|
| 学科 | 産業関係学科 |
| 年度 | 2017 |
| ゼミ名 | 三山 雅子 |
| タイトル | 学生アルバイトの基幹労働化と正規雇用化 |
| 内容 | 社会では過酷な勤務、違法な労働時間で雇用者を働かそうとするいわゆる「ブラック企業」が蔓延している。また、非正規雇用者の数は増加し続けているため、正規雇用者と同じようにフルタイムで働く非正規雇用者も増加している。フルタイムで働く非正規雇用者は、社員並みの業務をこなす。すなわち、賃金や社会保障は正規雇用者ほど支払わずに正規雇用者と同じ業務を行わせることが出来るため、企業にとっては都合の良い雇用形態となる。そして、このフルタイムの非正規雇用者が増えたことで、他の学生アルバイトなども当たり前のように「アルバイトでも社員並みの業務・責任が求められる」ようになってしまった。これが今日の日本社会で新たに叫ばれるようになった「ブラックバイト」である。 そこで本論文では現在の非正規雇用者の増加の背景を捉え分析し、そこから学生アルバイトに及んでいる被害を明らかにした。また、その被害について社会は何らかの対策を講じているのか、それはどのような活動を行い、どのような成果をもたらしているのかを具体的に論じた。 |
| 講評 | 今年もやはり同じことを書くことになった。卒論のでき具合は二極化していて、それは執筆にかけた時間に比例するということである。夏休みが終わって秋学期が始まるけれど、その頃から準備を開始して書かれた卒論は卒論らしい、つまり荒削りではあるけれど今を生きる２０代の人たちの切実な関心が書かれているものに仕上がっている。一方、11月も終わり頃から取り掛かり始めた卒論は、なんとかなって事実をなぞるのみである。言い換えるならば自分の見解というものを突きつけて考えた跡が見られない。メディアで流れている考えがそのまま書かれている。その人らしい表現も皆無である。だから読んでいてつまらない。 なぜこうなってしまうのか？これもやはり同じことを書かざるをえない。全てを疑うという意味で考えることが生きていく上で必要不可欠であるとは思っていないということであろう。今ある流れに乗っかることができたならば大丈夫なのだという感覚がそこにはある。だから大学で学ぶことは抽象的な絵空事を学ぶにすぎないのであろうし、卒論もその延長線上にあるのだと思う。だから力が入らない。全ての大事なことは会社にあるのであろう。 けれども、こういった事態は、これからは知価社会だと言いながら、そういった認識を持ちながら、教育予算を平然と減らしてきた日本社会にふさわしいことなのかもしれない。つまり実利的な???今日、明日に役に立つこと、だからすぐさま役に立たなくなる???ことを学ぶこと以外の価値がわからない。しかしこれも貧乏国、新興国から金持ち国に成り上がたっはいいが、いかなる金持ち国になったらいいかわからず、貧乏国時代と同じことを繰り返しているこの国にみあったことなのであろう。 さてどうしたらいいものか？教員としては、それでも学ぶこと、学ぶことの相互交換を通して、知ること、考えることなくしては実利さえも失ってしまうことを伝えていくしかないのであろう。 |
| キーワード１ | 非正規雇用 |
| キーワード２ | ブラックバイト |
| キーワード３ | 学校教育 |
| キーワード４ | しゃぶしゃぶ温野菜事件 |
| キーワード５ | ブラックバイトユニオン |
| 戻 る | |