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学科 産業関係学科
年度 2017
ゼミ名 三山 雅子
タイトル 男性の育児休暇所得を促進するために‐国際比較による提案‐
内容 本論文では、男性の育児休業取得を促進するための施策を考察するために、日本の現状における問題点を明らかにする。その上で男性の育児休業取得率が高いノルウェーとスウェーデンを参考にし、育児休業制度の改善と企業での働き方の改革を提案する。
日本では、継続就業を希望していたにもかかわらず妊娠を機に退職、もしくは解雇された女性も多い。これは長時間の労働と家事・育児の負担による両立の難しさや、職場での理解がないことなどが原因として挙げられる。
また男性についても、育児休業取得を希望する男性は割以上いるものの、実際の取得率は%と、他の先進諸国と比較しても低水準である。これは日本は長時間労働者の割合が高く、育児休業を取得しにくい職場環境であることが関係している。また育児休業制度上においても、取得可能期間の短さ・休業形態の柔軟性の乏しさ・所得補償の水準の低さという問題点が考えられる。
そこで、ノルウェーのパパ・クオータ制度の導入とその期間の所得補償の引き上げ、またスウェーデンのジェンダーボーナス制度の導入を提案する。さらに、休業形態の柔軟化と、取得可能期間の年間への延長を行う。また、業務量に見合った人員配置による長時間労働の解消と、育児休業中の「順送り方式」での対応を提案する。制度と働き方の双方が改善されることで、育児休業制度が利用しやすいものとなる。
講評 今年もやはり同じことを書くことになった。卒論のでき具合は二極化していて、それは執筆にかけた時間に比例するということである。夏休みが終わって秋学期が始まるけれど、その頃から準備を開始して書かれた卒論は卒論らしい、つまり荒削りではあるけれど今を生きる20代の人たちの切実な関心が書かれているものに仕上がっている。一方、11月も終わり頃から取り掛かり始めた卒論は、なんとかなって事実をなぞるのみである。言い換えるならば自分の見解というものを突きつけて考えた跡が見られない。メディアで流れている考えがそのまま書かれている。その人らしい表現も皆無である。だから読んでいてつまらない。
なぜこうなってしまうのか?これもやはり同じことを書かざるをえない。全てを疑うという意味で考えることが生きていく上で必要不可欠であるとは思っていないということであろう。今ある流れに乗っかることができたならば大丈夫なのだという感覚がそこにはある。だから大学で学ぶことは抽象的な絵空事を学ぶにすぎないのであろうし、卒論もその延長線上にあるのだと思う。だから力が入らない。全ての大事なことは会社にあるのであろう。
けれども、こういった事態は、これからは知価社会だと言いながら、そういった認識を持ちながら、教育予算を平然と減らしてきた日本社会にふさわしいことなのかもしれない。つまり実利的な???今日、明日に役に立つこと、だからすぐさま役に立たなくなる???ことを学ぶこと以外の価値がわからない。しかしこれも貧乏国、新興国から金持ち国に成り上がたっはいいが、いかなる金持ち国になったらいいかわからず、貧乏国時代と同じことを繰り返しているこの国にみあったことなのであろう。
さてどうしたらいいものか?教員としては、それでも学ぶこと、学ぶことの相互交換を通して、知ること、考えることなくしては実利さえも失ってしまうことを伝えていくしかないのであろう。
キーワード1 育児休業
キーワード2 継続就業
キーワード3 ワーク・ライフ・バランス
キーワード4 長時間労働
キーワード5  
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