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学科 | 社会学科 |
年度 | 2017 |
ゼミ名 | MILOS DEBNAR |
タイトル | ゲストハウスに集う人々 |
内容 | 本稿は、発展する日本の観光産業の中で注目されるゲストハウスという場に焦点を当てたものである。先行研究からは、ゲストハウスに集う人々はその利便性に加えて人々との交流を求めてきていることが推測されるが、その「交流」が意味するものとは何で、それによって彼らには何がもたらされているだろうか。筆者は、実際に勤務したゲストハウスでの参与観察、またそこで働く他スタッフへの半構造化インタビュー調査からそれらの追究にあたった。その結果、ゲストハウスに集う彼らの現代の若者像とは少し異なる姿をとらえることができた。また彼らの「交流」は意外にも一時的で、彼らはその後の関係に長期的な継続を期待しないことが明らかになった。彼らの築く「都合のいい」関係には、バウマンの主張する「リキッド・モダン」という現代社会像の片鱗がみてとれた。しかしその一方で、彼らの交流実態からはギデンズが都市社会に「親密性の源泉」という側面が潜むことを指摘したように、人格的な絆が創出される可能性も感じられた。 |
講評 | 今年度の卒業論文は多彩なテーマを取り扱いながらも、社会学的な観点から分析を行った。移民全般と観光関係の論文は一番多く、ハーフのイメージや外国人に対する態度、または沖縄のダークツーリズムやゲストハウスのテーマを社会学的な観点から分析した論文が半分近くあった。それ以外の論文は、食事の習慣、洋画の趣味、音楽、アイデンティティやジェンダーについて論じた。また、研究の方法に関しては、インタビュー調査、参与観察と質問紙調査と様々であった。テーマはまだ多彩でありながらも、昨年より観光と移民関係により集中した。 多数の論文では演習または講義で取り上げられているブルデュー、バウマンやギデンズ等の社会学理論、それぞれの分野の理論と概念、および調査方法が適切に応用されていたことが喜ばしい結果である。その一方で、多数の論文では特に問題設定などにおいて改善の余地があり、社会学と調査法のより深い理解が望ましい箇所・論文もあった。 |
キーワード1 | ゲストハウス |
キーワード2 | 交流 |
キーワード3 | 若者 |
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