詳細
学科 産業関係学科
年度 2008
ゼミ名 松村 彰
タイトル プロ野球選手の賃金から見る労働環境
内容 プロ野球は完全な成果主義であり、能力と実績の指標から賃金が決まる。そしてその賃金は一般労働者と比べ高水準である。しかし、プロ野球選手は入団した時点で、これから自分がどれだけ活躍できるかまったくわからず、生涯賃金がどのくらいになるか、見通しが立たない。そのうえ大きなケガによっては選手生命を絶たれてしまう危険や、成績不振となってクビを切られてしまう危険と常に隣り合わせにあり、一般労働者と大きく異なっている。
 プロ野球選手がいい成績を残すためには、ケガの保障、引退後の保障などを充実させなければならない。一流選手になれば、監督やコーチとして引退後の保障はある程度保障されるが、成績を残すことができなかった選手は、引退した場合、再就職は本人任せでゼロからのスタートとなってしまう。ケガをした場合、公傷制度が明確にされていないので、選手はケガをすることを恐れ、アグレッシブなプレーをすることができない。
 プロ野球選手が一流になるには選手自身の能力も当然必要だが、不十分な労働環境の改善も必要なのである。
講評  当ゼミでは卒業論文のテーマの設定は、基本的には各自に任せています。毎年産業関係に直接関係のあるテーマの他に、政治、国際、社会、文化、スポーツなどさまざまな分野を扱った卒論があります。大学4年間の集大成としてあまり相応しくないものや、我々と馴染みのないかなりかけ離れたテーマ以外は、学生が自由に選んだ題材をそのまま認めています。今年は例年以上にバラエティに富んだタイトルが揃いました。ロシア経済、国際人事管理、地球温暖化、教育制度、プロ野球選手、芸人養成所などなど。
 卒論は選んだ題材で優劣が決まるわけではありません。選んだ題材をもとに、問題提起が的確に示され、それを解明するため必要なデータと事実をもとに論理を展開する、そして自分の主張をまとめて結論に導く、これが論文のスタイルです。卒論で大切なのはオリジナリティです。自分の考えをあくまでも自分の言葉で表現することが大事です。こうした要素が整っているかどうかを採点基準にして、私は卒論を評価することにしています。
 今年の卒論は、何とか論文の体裁は備えているものの、例年に比べると力作が少ないように思います。ユニークなタイトル(題材)が多かっただけに、もっと実証的分析に力を入れ、論理をきちんと組み立てれば、面白い論文ができたと思います。この卒論が文字通りの「卒業」ではなく、各自が新たなスタート台に立って、再び新たな「卒論」に取り組んで欲しいと願っています。
キーワード1 生涯賃金
キーワード2 保障
キーワード3 労働環境
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