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学科 産業関係学科
年度 2008
ゼミ名 松村 彰
タイトル 神戸から学ぶ、地域と人の関係
内容 阪神淡路大震災から13年の年月が経とうとしている現在も、震災時の恐怖というものは我々にとって忘れられないものとなっている。当時、毎日テレビ・雑誌で報道されていた建物がなぎ倒される様子を見て、誰もが一度は復興への希望を失いかけたのではないかと思う。
しかしそのような中、自ら復興へ向けて動きはじめ、いち早くその完全なる復興を遂げた地域がある。それが神戸市長田区である。長田区は、日本一長くまちづくりが行われている街で、平常時から小地域におけるコミュニティ活動を行い、高齢者が過ごしやすい街を形成している。その一方で、同じ地域にケミカルシューズ産業という地場産業をもつという、いわゆる住工混合といわれる地域なのである。
この地区は、これまで様々なまちづくりに対する障害を住民自らの手で政策を作り、乗り越えてきた。その中には、高齢者問題やインナーシティ問題など、これから数十年後の日本が直面するであろう数々の問題を抱えており、未来の日本を圧縮したような街だと言われている。
長田区のまちづくりや産業復興を見ることで、今後の日本の人づきあいや地元産業の維持の仕方を考えていきたい。
講評 当ゼミでは卒業論文のテーマの設定は、基本的には各自に任せています。毎年産業関係に直接関係のあるテーマの他に、政治、国際、社会、文化、スポーツなどさまざまな分野を扱った卒論があります。大学4年間の集大成としてあまり相応しくないものや、我々と馴染みのないかなりかけ離れたテーマ以外は、学生が自由に選んだ題材をそのまま認めています。今年は例年以上にバラエティに富んだタイトルが揃いました。ロシア経済、国際人事管理、地球温暖化、教育制度、プロ野球選手、芸人養成所などなど。
卒論は選んだ題材で優劣が決まるわけではありません。選んだ題材をもとに、問題提起が的確に示され、それを解明するため必要なデータと事実をもとに論理を展開する、そして自分の主張をまとめて結論に導く、これが論文のスタイルです。卒論で大切なのはオリジナリティです。自分の考えをあくまでも自分の言葉で表現することが大事です。こうした要素が整っているかどうかを採点基準にして、私は卒論を評価することにしています。
今年の卒論は、何とか論文の体裁は備えているものの、例年に比べると力作が少ないように思います。ユニークなタイトル(題材)が多かっただけに、もっと実証的分析に力を入れ、論理をきちんと組み立てれば、面白い論文ができたと思います。この卒論が文字通りの「卒業」ではなく、各自が新たなスタート台に立って、再び新たな「卒論」に取り組んで欲しいと願っています。
キーワード1 まちづくり
キーワード2 地場産業
キーワード3 長田地区
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