詳細 | |
---|---|
学科 | 社会学科 |
年度 | 2017 |
ゼミ名 | 板垣 竜太 |
タイトル | 障害者のスポーツへの社会化に関する事例研究 ――車いす駅伝選手を対象に―― |
内容 | 本論文は、インタビュー調査を用いて車いす生活者がどのように競技スポーツを始めていくのかという、「スポーツへの社会化」が促進される条件を明らかにすることを目的としている。過去1年間でスポーツ実施率は、障害者約34%であり、健常者の76.9%と比較して低く、障害者がスポーツを実施するための環境は、健常者と比較して十分ではないといえる。障害者の中でも、特に実施率が低いのは車いす生活者(実施率は23.7%)である。そんな車いす生活者の中でも、車いす駅伝という競技スポーツに取り組む人を調査の対象とした。調査の結果、車いす生活者の競技スポーツへの社会化には、①車いす生活者の中でも比較的障害の程度が軽く、②経済的にも余裕があり、③かつ移動手段(および支援者)が確保されている、という条件が見られた。また競技レベルで社会化していくには、①競技スポーツならではの第三者からの応援、②レベルの高いチームにおけるチーム競技という特性、③競技人口の少なさゆえに、比較的トップレベルに手が届きやすい、といった条件が見られた。 |
講評 | 障害者が競技スポーツに参加するということはどういうことかについて迫ろうとした論文である。特に、競技スポーツへの参加度が平均的に最も低い車いす生活を送る肢体不自由の人々に注目し、そのなかでもかなりハードな駅伝に参加する人たちの必要十分条件を探ろうとしたものである。著者自身スポーツマンであるせいか、スポーツに参加するという行為を十分に相対化できておらず、その結果問いも曖昧なものとなってしまった。また、インタビューも十分に関係を築けないなかで実施され、スポーツマン同志の共感は見られるものの深いものとは言いがたい。そのなかでも、いくつかの困難な条件をクリアしたなかで、限られた人々が競技スポーツに参加していく動機の一部が明らかになったということは評価できる。 |
キーワード1 | 障碍者 |
キーワード2 | スポーツへの社会科 |
キーワード3 | 競技スポーツ |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
戻 る |