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学科 | 社会学科 |
年度 | 2017 |
ゼミ名 | 板垣 竜太 |
タイトル | 主婦の葛藤とハビトゥス ――違和感の経験を通して―― |
内容 | 本論文は韓国の大都市である釜山市の中心地に位置したアジュンマ美容室の様子を様々な角度から見て、その中で形成されている様々な要素がおばさんたちにどのような意味をもたらすかを把握しようとする研究である。おばさん美容室の形成背景に関する歴史まで遡り、釜山(プサン)という場所と関連付けて掘り下げている。アジュンマ美容室では大きく二つの機能が見られる。その機能は純粋機能と副次的機能で、本論文ではそれらの機能がアジュンマ達にどのような意味を持つのか明確にしようとする。A美容室についてアジュンマのインタビューや意識調査をもとにA美容室は副次的な機能が純粋な技能より大きく作用し、ここは彼らの憩いの場でありながら、アイデンティティを確認させてくれる彼らだけの居場所であることが明らかになった。 |
講評 | 主婦として近代家族的な性別役割分担を実践しているからといって、性別役割意識を堅固にもっているわけではなく、したがって日常的にしばしば違和感と葛藤を抱きながらも、だからといってそこからすぐに抜け出せるような条件にもない――本論文が迫ろうとしたのは、そのような状況である。そうした構造と意識のあいだにある揺れをともなった媒介領域に注目することで、「違和感」といった微妙な感情の問題をより大きな構造的な問題と結びつけようとしたこと、またそうした媒介領域にブルデューのいうハビトゥスの在処を探ろうとしたことは、試みとして評価できる。意欲と展望はあるが、論文の見通しが固まるのに時間がかかり、統計資料、インタビュー、理論とのあいだを接続することに成功できているとはまだ言いがたい。今後の展開に期待したい。 |
キーワード1 | ハビトゥス |
キーワード2 | ジェンダー論 |
キーワード3 | 女性の就労 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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