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学科 | 社会学科 |
年度 | 2017 |
ゼミ名 | 板垣 竜太 |
タイトル | 韓国中高年女性の居場所とコミュニケーション ――釜山金井区のアジュンマ(おばさん)美容室を中心に―― |
内容 | 本論文は韓国の大都市である釜山市の中心地に位置したアジュンマ美容室の様子を様々な角度から見て、その中で形成されている様々な要素がおばさんたちにどのような意味をもたらすかを把握しようとする研究である。おばさん美容室の形成背景に関する歴史まで遡り、釜山(プサン)という場所と関連付けて掘り下げている。アジュンマ美容室では大きく二つの機能が見られる。その機能は純粋機能と副次的機能で、本論文ではそれらの機能がアジュンマ達にどのような意味を持つのか明確にしようとする。A美容室についてアジュンマのインタビューや意識調査をもとにA美容室は副次的な機能が純粋な技能より大きく作用し、ここは彼らの憩いの場でありながら、アイデンティティを確認させてくれる彼らだけの居場所であることが明らかになった。 |
講評 | 韓国で「アジュンマ」(=おばさん)について論ずべきことはさまざまあり得るが、本論文は、中高年女性たちの居場所としての「アジュンマ美容室」の機能を分析しようとしたものである。著者は、出身地の個人美容室でお手伝いをしながら、女性たちの会話に耳を傾け、オーナーの語りを聞いた。全体的にまとまりがよいとは決していえないし、素材を十分に生かしきれていない。ただ、釜山のなかでも大学は集まってはいても産業が空洞化しつつある地域において、「アジュンマ美容室」が中高年女性たちの数少ない居場所になっていること、常連客にとっては髪を整えるという美容室の「純粋機能」よりも、安息、交流、取引などの「副次的機能」の方が重要であることを明らかにした点で、興味深い知見が得られたと評価し得る。 |
キーワード1 | 中年女性 |
キーワード2 | コミュニケーション |
キーワード3 | おばさん |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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