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学科 | メディア学科 |
年度 | 2017 |
ゼミ名 | 佐伯 順子 |
タイトル | 『3年B組金八先生第6シリーズ』におけるLGBT表現 |
内容 | 今日において「LGBT」の概念は広く世間に浸透してきつつあるだろう。本論文では性同一性障害の生徒(鶴本直)が登場する『3年B組金八先生第6シリーズ』を分析対象に、【中学生という思春期において重いテーマであるLGBTをどのように扱い、表現したのか?】、【15年前に学園テレビドラマでLGBTを扱った事は社会的に先駆的だったのか?それとも当時の社会の風潮を受けてのものだったのか?】この2点について考える。全23話におけるLGBTに関する特徴的なセリフや描写を分析し、視聴者(レビュー・SNSの書き込みから)・社会(新聞・雑誌記事数の変化、法制度の変化から)・当事者(鶴本直のモデルとなった虎井まさ衛氏の話から)3面から『3年B組金八先生第6シリーズ』が与えた影響について分析する。「金八先生を通して性同一性障害を知った」という意見の多さとオンエア後に戸籍訂正を認める法律が成立したことなどを踏まえると、15年前にLGBTを扱ったことは社会的に先駆的であったと結論づけられる。 |
講評 | 2017年度卒業生は、佐伯ゼミで学習する映像分析および、関連する新聞、雑誌記事、SNS上の情報の調査、分析の方法を駆使して、映画、新聞、雑誌記事、SNSの情報等を広汎に含む幅広い成果をあげた。また、指導教員の専門分野が、メディア・文化・文学研究に関わる学際性を含むことから、海外の児童文学・文化の日本における受容を社会科学的に論じるというユニークなテーマ設定もみられたのが特徴である。 日本の学園ドラマの代表作のひとつである『3年B組金八先生』が描くLGBTのありかたについて、脚本家をはじめとする送り手側の意図、LGBTをめぐる世界の法律、日本の社会的現状等をふまえて広い視野で分析した本論文は、ドラマのショット分析、台詞分析を丹念に行いつつ、2000年代初頭に制作されたこのドラマが、DVDカスタマーレビューやSNSを通じて、2010年代も反響を得ており、LGBTという用語が一般化していない時代に、LGBTに関する問題提起を行った先駆的ドラマとして社会的、歴史的意義のある作品であったことを明らかにした。 |
キーワード1 | LGBT |
キーワード2 | 性同一性障害 |
キーワード3 | 金八先生 |
キーワード4 | テレビドラマ |
キーワード5 | |
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