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学科 メディア学科
年度 2017
ゼミ名 佐伯 順子
タイトル 『きかんしゃトーマス』の魅力と社会的意義
内容 『きかんしゃトーマス』の認知度は80%以上にのぼるという。『トーマス』はなぜこれほどまで人々に受け入れられたのだろうか。また、そこにはどのような社会的背景や問題が隠されているのだろうか。本論文では、『トーマス』が人気となった理由や社会との関連性を明らかにしていく。
今回は主に、1990年秋に日本で初めてアニメが放送された「第1シリーズ」を取り上げる。まず作品紹介を行い、第二章で『トーマス』が人気となった理由やその魅力について述べる。次に、第三章で本作品と社会との関連を解き明かし、世界観や放送開始当時の社会について指摘する。第四章では、社会的な観点の中でも特にジェンダーの視点から考察し、男女表象やジェンダー・イデオロギーなどを明らかにしていく。以上に加えて、メディア環境の変化や人々の楽しみ方の変化などにも注目しながら、昔と今そして未来の『きかんしゃトーマス』の在り方についても触れていく。
講評 2017年度卒業生は、佐伯ゼミで学習する映像分析および、関連する新聞、雑誌記事、SNS上の情報の調査、分析の方法を駆使して、映画、新聞、雑誌記事、SNSの情報等を広汎に含む幅広い成果をあげた。また、指導教員の専門分野が、メディア・文化・文学研究に関わる学際性を含むことから、海外の児童文学・文化の日本における受容を社会科学的に論じるというユニークなテーマ設定もみられたのが特徴である。
イギリス発祥の絵本『機関車トーマス』がアニメ化され、日本でも広く認知された理由を、内容的要因、社会的背景から多面的に考察した本論文は、キャラクターの認知度のアンケート調査、『機関車トーマス』が日本で放送された当時の社会・経済状況、DVDの普及率等を総合的に考慮して、主役が一人に特定されないことによる共感、<共存>というメッセージ、教育的要素が、人気の主要理由であると論じた。また、内容にも認知度にもジェンダーの非対照性がみられること、ノスタルジア的要素、グッズ販売やイベントという幅広い展開がみられることを指摘し、先行研究が少ない事例分析として、日本社会、文化における海外文化の受容についての貴重な研究成果をあげた。
キーワード1 きかんしゃトーマス
キーワード2 アニメ
キーワード3 人気分析
キーワード4 社会
キーワード5 ジェンダー
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