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学科 産業関係学科
年度 2008
ゼミ名 松村 彰
タイトル 本当の豊かさとは何か~豊かさ感を求めて~
内容 本論は本当に豊かな人生とはどのようなものかについて考察している。
私は過労問題について学ぶうちに、過労問題とは現代が抱えている病気の一つに過ぎないものであり、それを解決する方法は労働とは関係ないところにあるのではないかと考えるようになった。
そこでまず現代の価値基準を形成してきた社会構造についてできる限りの把握したうえで、それによって失われたものは何だったのかを理解するところから研究を始めた。
次に経済優先主義により失われつつある、人間性の形成の「土壌」である教育や社会資本の重要性を確認しながら、それらと上手付き合っているドイツの現状を調べた。
ドイツの現状を調べる中で日本との決定的な差は労働時間の長さであると考え、ドイツ以外の諸外国とも比較しながら労働時間短縮の可能性を模索した。4章においては、労働時間短縮により得られた、時間的余裕から新たなる価値観の創造することについて述べている。その中で人が精神的に豊かな生活を送るための3要素(「社会的役割の達成」「家族における役割」「職業人としての役割」)についても考察している。
講評  当ゼミでは卒業論文のテーマの設定は、基本的には各自に任せています。毎年産業関係に直接関係のあるテーマの他に、政治、国際、社会、文化、スポーツなどさまざまな分野を扱った卒論があります。大学4年間の集大成としてあまり相応しくないものや、我々と馴染みのないかなりかけ離れたテーマ以外は、学生が自由に選んだ題材をそのまま認めています。今年は例年以上にバラエティに富んだタイトルが揃いました。ロシア経済、国際人事管理、地球温暖化、教育制度、プロ野球選手、芸人養成所などなど。
 卒論は選んだ題材で優劣が決まるわけではありません。選んだ題材をもとに、問題提起が的確に示され、それを解明するため必要なデータと事実をもとに論理を展開する、そして自分の主張をまとめて結論に導く、これが論文のスタイルです。卒論で大切なのはオリジナリティです。自分の考えをあくまでも自分の言葉で表現することが大事です。こうした要素が整っているかどうかを採点基準にして、私は卒論を評価することにしています。
 今年の卒論は、何とか論文の体裁は備えているものの、例年に比べると力作が少ないように思います。ユニークなタイトル(題材)が多かっただけに、もっと実証的分析に力を入れ、論理をきちんと組み立てれば、面白い論文ができたと思います。この卒論が文字通りの「卒業」ではなく、各自が新たなスタート台に立って、再び新たな「卒論」に取り組んで欲しいと願っています。
キーワード1 豊かさ感
キーワード2 労働時間
キーワード3 新たな価値観
キーワード4  
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