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学科 | 産業関係学科 |
年度 | 2017 |
ゼミ名 | 表 弘一郎 |
タイトル | 就労継続支援事業の実態と障害者雇用のあるべき姿 |
内容 | 障害者雇用の雇用者数は現在13年連続で増加しており、障害者の数的な支援はある程度機能しているといえる。しかし、就労継続支援事業の平均工賃は低水準となっており、またその職場など質的な支援は見えにくい状況となっている。そこで本稿を執筆するにあたり、就労継続支援A型事業所の聞き取り調査からその実態の把握を行い、障害者雇用全体のあり方について考えていくこととした。 その結果、賃金が低水準になっていることにも合理的な構造があり、その職務や職場の相互理解についても実態を明らかにすることができた。就労継続支援事業の終着点、ステップアップ先は一般就労である。そのための訓練であり、合理的配慮であることを事業主と障害を持つ労働者は忘れてはならない。一般企業においても法定雇用率を守るための雇用になっていては、障害者雇用は福祉の世界から脱却できない。 最も求められることは合理的配慮だけではなく賃金や労働時間、職務内容など労働のあらゆる面において、雇用主と障害を持つ労働者の話し合うことによる歩み寄りだろう。 |
講評 | 2017年度の卒業論文では、9人のうち8人が一次資料を参照し、統計分析まで行なった方がいた点を高く評価したいと思います。聞き取り調査を行なった方のなかには、仮説の検証だけでなく、調査以前の思い込みの是正や思いがけない事実の発見、視野の拡がりなどを経験された方が複数おられ、学問上の意義が明確に読み取れると同時に、「現実」に対する執筆者の眼差しの変化をも感じ取ることができます。調査に際して、質問項目を十分に練り上げずに調査に臨んだ方もいましたが、調査を進めるなかで事柄の認識を新たにされた点は評価できます。 一貫性については、各章節の有機的な結合に若干の問題を抱える論文もあります。また、資料の適切な利用という点での客観性や形式性にやや問題を抱えている論文もありますが、総じて、数多くの文献を活用し、多様な観点から問題の考究を進めた論文が多数を占めた印象を抱いています。独創的で魅力的なテーマ設定をされた論文が多かった点も特筆すべきところですが、何より、魅力的ではあるものの検証が困難かと思われた仮説を慎重かつ真摯に追究された執筆者の皆さんの姿勢を最大限に高く評価したいと思います。 論文の魅力は、ほぼテーマ設定にかかっていると言っても過言ではありません。皆さんの論文テーマは多岐に渡りますが、その多様さが社会の現在の有り様と変容の可能性を如実に映し出しているように思います。 |
キーワード1 | 合理的配慮 |
キーワード2 | 就労継続支援事業 |
キーワード3 | 福祉的就労 |
キーワード4 | 話し合い |
キーワード5 | |
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