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学科 | 産業関係学科 |
年度 | 2017 |
ゼミ名 | 表 弘一郎 |
タイトル | 男性の家事-「男らしさ」からの自由と拘束- |
内容 | 「男性が仕事をして、女性が家事をする」という固定的な性別役割分業が当たり前だった時代は過ぎ、今は共働きの時代といえるかもしれない。「女性活躍」という言葉もよく耳にし、女性の労働の自由が盛んに議論される。仕事がどんどん男性だけのものではなくなっていく傍ら、家事は女性がするものから男性もするものへと移り変われているだろうか。現実として、家事負担時間は女性のほうが多く、男性が「家事をしている」とは言えない状況にある。 なぜ、男性は家事をしないのだろうか。このシンプルな疑問に対して、男性の中にあるジェンダー意識のなかでも「男らしさ」に着眼し、「男らしさ」が男性自身の家事行動を妨げているのではないかという仮説をもとに、「家事をしている」男性Aさんに聞き取り調査をし、検証した。結果として、Aさんの意識には、「男だから働いて稼がなければならない」という意識と、「家事は女性だけのものではない」という意識が共存していた。 |
講評 | 2017年度の卒業論文では、9人のうち8人が一次資料を参照し、統計分析まで行なった方がいた点を高く評価したいと思います。聞き取り調査を行なった方のなかには、仮説の検証だけでなく、調査以前の思い込みの是正や思いがけない事実の発見、視野の拡がりなどを経験された方が複数おられ、学問上の意義が明確に読み取れると同時に、「現実」に対する執筆者の眼差しの変化をも感じ取ることができます。調査に際して、質問項目を十分に練り上げずに調査に臨んだ方もいましたが、調査を進めるなかで事柄の認識を新たにされた点は評価できます。 一貫性については、各章節の有機的な結合に若干の問題を抱える論文もあります。また、資料の適切な利用という点での客観性や形式性にやや問題を抱えている論文もありますが、総じて、数多くの文献を活用し、多様な観点から問題の考究を進めた論文が多数を占めた印象を抱いています。独創的で魅力的なテーマ設定をされた論文が多かった点も特筆すべきところですが、何より、魅力的ではあるものの検証が困難かと思われた仮説を慎重かつ真摯に追究された執筆者の皆さんの姿勢を最大限に高く評価したいと思います。 論文の魅力は、ほぼテーマ設定にかかっていると言っても過言ではありません。皆さんの論文テーマは多岐に渡りますが、その多様さが社会の現在の有り様と変容の可能性を如実に映し出しているように思います。 |
キーワード1 | 男性性 |
キーワード2 | 男らしさ |
キーワード3 | 家事 |
キーワード4 | 性別役割分業 |
キーワード5 | |
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