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学科 産業関係学科
年度 2008
ゼミ名 三山 雅子
タイトル 格差・二極化はどのように生まれたか
内容 近年、所得の不平等をあらわすニジ係数は常に上昇傾向にある。本稿では、格差社会あるいは二極化と言われる今日の社会状況を生み出した原因を労働の面から考える。1990年代以降、日本企業がおかれている環境は大きく変化した。グローバル化が進み海外企業との関係性をこれまで以上に考える必要が出てきたのである。このような環境変化に伴って、日本企業はその体質をより市場個人主義に対応し国際競争力のあるものに抜本的に変える必要が生じた。また、「株主至上主義」という企業の社会的責任はこうあるべきだとするアメリカが作った価値基準がグローバルスタンダードとなり、それに対応せざるを得ないようになった。具体的には、企業の価値が株価によって判断されるようになり、また敵対的買収の恐れが増した。企業経営者にとって圧倒的に重要なことは、株式資本に対する利益率を最大化することに変化した。経営者は労働者のことよりも株主への奉仕を優先目標にしないと会社が潰れる、自らのポストが奪われる、また敵対的買収によって会社が乗っ取られるという理由から、株主への奉仕に圧倒的に力を使うようになった。このような流れの中で、企業は政府に規制緩和を促し、従業員の雇用体系を変えていった。その結果、会社(=経営者や取締り役)は儲かっているのに、家庭・個人にはその恩恵が渡らないという現象が生じた。
講評 今社会的に問題となっている格差について、格差の現状を探るのみならず、何故このような格差が惹起せしめられたのかを考えようとする点がよい。
キーワード1 格差社会
キーワード2 グローバル化
キーワード3 株主至上主義
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