詳細
学科 産業関係学科
年度 2017
ゼミ名 樋口 純平
タイトル フランス人は仕事もプライベートも本当に充実しているのか
内容 本論文では、近年よく注目されているフランス人女性のライフスタイルや考え方について、エッセイなどではフランス人の仕事もプライベートも非常に充実しているように思われるが、実際のところそれは本当に充実しているのか、制度面などから詳しく見ていき、またドイツ、イギリスそして日本の3か国と国際比較をしていくことで明らかにしようと試みた。
主に労働時間と育児休暇などの子育てに関する支援について焦点を当てて比較をしていった結果、ドイツもイギリスも日本も、労働時間や保育サービスどちらかの点で、まだまだ不十分な点があり、ワーク・ライフ・バランスも整っているとは言い難いが、フランスについては、どちらも整っており、仕事とプライベートすることができる、バランスの良い国であるという結論に至った。
これを踏まえて、日本は今すぐにフランスのようにすることはできないが、フランス人の仕事もプライベートも充実させ日々の生活を楽しくしようとする考え方や、育児には男も女も関係ないといった考え方については見習うべきだろう。
講評 卒業論文の作成にあたっては、自分が関心を持ったテーマについて、いろいろと本を読んでみてよかった、多少は苦しいながらも書き進める中に楽しさや充実感があった、と感じてほしいと思う。自分自身に向けて書く、という気持ちが大切と思う。
とはいえ、単なる自己満足に終わってもよくない。自分の設定したテーマについて、先行研究は何を語っているか、現状はどうなっているのか、を知る必要がある。すると、通常は、よく調べるほど自分に語るべきことがあまり残されていないことに気づく。そもそも、卒業論文でオリジナリティのある事実発見や考察を行うことは、たいへんむずかしい。それでも、先行研究を追いかけながら、自分なりに納得のゆくストーリーを展開することはできる。また、少数でもよく選んだ文献と格闘することで、意義のある考察をすることもできる。
本年度の樋口ゼミ生の卒業論文は、どうであったか。テーマ設定としては、私の専門分野である国際人事について論じたもの、昨今の働き方改革について論じたもの、ワークライフバランスや女性活躍について論じたもの、ベンチャー企業について論じたもの、いずれも紆余曲折はあったが、自分の問題関心を定めて取り組むことはできたのではないか。とりあえず、提出予定者が全員、無事に提出できたことにほっとしている。一方、多くの卒論について、もう少し早くスタートすれば、もう少し時間をかけて取り組めば、という感が残ることは否めない。就職活動や単位取得がきわめて順調であったことを考えれば、相当の余力があったはずである。せっかく先行研究を読んだのであれば、整理するのにとどまらず、多少なりとも批判的に検討することができたのではないか。展開したい持論があったのであれば、より丁寧に既存の文献と対峙する必要があったのではないか。そうすることで、卒論を書き上げた際の達成感は、やはり違ってきたように思われる。私自身の反省も述べたい。春学期は就職活動に追われざるをえないが、特に夏休み中の進捗管理をもっとしっかりやるべきであったと思う。ここをしっかり押さえれば、秋学期に踏み込んだ取り組みができたはずだから。また、ユニークな視点を持っていながらスタートがかなり遅れたことで惜しまれる結果になった論文もある。どうして遅れたのか、よく分からない。今後、分かるように努めたいと思う。
キーワード1 ワーク・ライフ・バランス
キーワード2 労働時間短縮
キーワード3 育児休業制度
キーワード4 家族政策
キーワード5 国際比較
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