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学科 | 産業関係学科 |
年度 | 2017 |
ゼミ名 | 樋口 純平 |
タイトル | 純正成果主義の可能性 |
内容 | 本論文では、現代社会における長時間労働と生産性の現実を、グラフを示唆して見直し、両問題の改善を成果主義導入という媒体を通して、その検討を行った。 成果主義の導入において重要要素となる時間管理、報酬管理の面で構成し、それぞれの現雇用慣行との相性や考察をしていった。そこで生産性の高い米国の人事制度を参考にして、両管理の特徴と成果主義の導入の可能性を模索したが、労働市場が発展していない日本では、失業の可能性が増えることを危惧し、雇用の流動化に係る規制緩和政策と解雇保険を視野に入れて国家の積極的な労働市場政策が必要であると考えた。 労働者の健康を護る法律が労働者に対して逆の効果を与えているのではないかという疑問から残業や割増賃金に焦点をあてて、生産性の向上と労働者のワークライフバランスの向上に帰結するような成果主義の可能性を示した。また、能力やプロセスの評価において情意考課が用いられる雇用から簡素な評価制度の採用を検討し、そのデメリットとして生まれる失業において、欧州の解雇保険を参考にした。 結果、人事制度の収斂により制度比較が困難であることが分かったが、差異がこれからの制度に働きかけるだろう。 |
講評 | 卒業論文の作成にあたっては、自分が関心を持ったテーマについて、いろいろと本を読んでみてよかった、多少は苦しいながらも書き進める中に楽しさや充実感があった、と感じてほしいと思う。自分自身に向けて書く、という気持ちが大切と思う。 とはいえ、単なる自己満足に終わってもよくない。自分の設定したテーマについて、先行研究は何を語っているか、現状はどうなっているのか、を知る必要がある。すると、通常は、よく調べるほど自分に語るべきことがあまり残されていないことに気づく。そもそも、卒業論文でオリジナリティのある事実発見や考察を行うことは、たいへんむずかしい。それでも、先行研究を追いかけながら、自分なりに納得のゆくストーリーを展開することはできる。また、少数でもよく選んだ文献と格闘することで、意義のある考察をすることもできる。 本年度の樋口ゼミ生の卒業論文は、どうであったか。テーマ設定としては、私の専門分野である国際人事について論じたもの、昨今の働き方改革について論じたもの、ワークライフバランスや女性活躍について論じたもの、ベンチャー企業について論じたもの、いずれも紆余曲折はあったが、自分の問題関心を定めて取り組むことはできたのではないか。とりあえず、提出予定者が全員、無事に提出できたことにほっとしている。一方、多くの卒論について、もう少し早くスタートすれば、もう少し時間をかけて取り組めば、という感が残ることは否めない。就職活動や単位取得がきわめて順調であったことを考えれば、相当の余力があったはずである。せっかく先行研究を読んだのであれば、整理するのにとどまらず、多少なりとも批判的に検討することができたのではないか。展開したい持論があったのであれば、より丁寧に既存の文献と対峙する必要があったのではないか。そうすることで、卒論を書き上げた際の達成感は、やはり違ってきたように思われる。私自身の反省も述べたい。春学期は就職活動に追われざるをえないが、特に夏休み中の進捗管理をもっとしっかりやるべきであったと思う。ここをしっかり押さえれば、秋学期に踏み込んだ取り組みができたはずだから。また、ユニークな視点を持っていながらスタートがかなり遅れたことで惜しまれる結果になった論文もある。どうして遅れたのか、よく分からない。今後、分かるように努めたいと思う。 |
キーワード1 | 成果主義 |
キーワード2 | 生産性向上 |
キーワード3 | 長時間労働問題 |
キーワード4 | 雇用の流動化 |
キーワード5 | |
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