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学科 | 産業関係学科 |
年度 | 2017 |
ゼミ名 | 樋口 純平 |
タイトル | 日本企業におけるグローバル人材の育成課題 |
内容 | 本論文では、日本企業におけるグローバル人材育成の課題点について、実例を挙げながら考察する。 まず、グローバル人材育成への需要を国内企業対象調査の数値を用い明らかにした後に、白木(2006)と亀田(2003)より異文化コミュニケーションとビジネスの相関関係を考察する。その上で、両者ともに共通した意見を自身の意見とも交え抽出した主張は、語学の大切さと同様に異文化コミュニケーション能力、そしてビジネスへの知識が必要不可欠である、という結果になった。また、育成プログラムの実例からは、TOEICを留学制度や実務研修の選定条件に用いることが一般的であることから外国語の能力評価についての指摘をした。そして育成プログラムの対象が海外派遣予定の人材等に限定されており、今後は一般化が実現される必要があることや異文化理解トレーニングの強化を課題として列挙した。 上記を課題点とした上で、最終的には「内なる国際化」を目指しツールとしての言語を用いたビジネスへの転換を行うことをグローバル人材育成の課題点への改善案として主張する結論となった。 |
講評 | 卒業論文の作成にあたっては、自分が関心を持ったテーマについて、いろいろと本を読んでみてよかった、多少は苦しいながらも書き進める中に楽しさや充実感があった、と感じてほしいと思う。自分自身に向けて書く、という気持ちが大切と思う。 とはいえ、単なる自己満足に終わってもよくない。自分の設定したテーマについて、先行研究は何を語っているか、現状はどうなっているのか、を知る必要がある。すると、通常は、よく調べるほど自分に語るべきことがあまり残されていないことに気づく。そもそも、卒業論文でオリジナリティのある事実発見や考察を行うことは、たいへんむずかしい。それでも、先行研究を追いかけながら、自分なりに納得のゆくストーリーを展開することはできる。また、少数でもよく選んだ文献と格闘することで、意義のある考察をすることもできる。 本年度の樋口ゼミ生の卒業論文は、どうであったか。テーマ設定としては、私の専門分野である国際人事について論じたもの、昨今の働き方改革について論じたもの、ワークライフバランスや女性活躍について論じたもの、ベンチャー企業について論じたもの、いずれも紆余曲折はあったが、自分の問題関心を定めて取り組むことはできたのではないか。とりあえず、提出予定者が全員、無事に提出できたことにほっとしている。一方、多くの卒論について、もう少し早くスタートすれば、もう少し時間をかけて取り組めば、という感が残ることは否めない。就職活動や単位取得がきわめて順調であったことを考えれば、相当の余力があったはずである。せっかく先行研究を読んだのであれば、整理するのにとどまらず、多少なりとも批判的に検討することができたのではないか。展開したい持論があったのであれば、より丁寧に既存の文献と対峙する必要があったのではないか。そうすることで、卒論を書き上げた際の達成感は、やはり違ってきたように思われる。私自身の反省も述べたい。春学期は就職活動に追われざるをえないが、特に夏休み中の進捗管理をもっとしっかりやるべきであったと思う。ここをしっかり押さえれば、秋学期に踏み込んだ取り組みができたはずだから。また、ユニークな視点を持っていながらスタートがかなり遅れたことで惜しまれる結果になった論文もある。どうして遅れたのか、よく分からない。今後、分かるように努めたいと思う。 |
キーワード1 | グローバル人材育成 |
キーワード2 | 異文化コミュニケーション |
キーワード3 | 内なる国際化 |
キーワード4 | ツールとしての言語 |
キーワード5 | |
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