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学科 産業関係学科
年度 2017
ゼミ名 冨田 安信
タイトル 外国人労働者に関する考察と戦略的提案
内容 本論文では、日本における外国人労働者受け入れについての是非について考察した。方法として、日本の現行制度を考察し、アメリカ、ドイツ、シンガポールにおける各国における外国人労働者受け入れの事例を整理し、外国人労働者受け入れという問題の本質を明らかにしたうえで、日本の選ぶべき選択を探った。外国人労働者受け入れの問題は、移民問題や将来の国家の民族構成など国家の趨勢に関わる議題であることが示された。その問題に対して、日本政府の施策は、労働人口の不足を補う対処法的なものである。また、日本の人的資源の活用は、経済的合理性を欠いており、政府が進める研修・技能実習制度でもそのミスマッチを大きく感じた。ここでは、日本はアジア諸国に職業訓練学校を建設・運営し、日本語の教育も行って、日本に高度人材を供給することを提案した。この外国人労働者受け入れという問題は、国民に対してさらに広く、明快に周知され、議論を重ねたうえで、国家戦略としての方針、選択が決定されなければならない。
講評 今年度は、3人が女性労働を卒業論文のテーマに選びましたが、2人が他国の女性労働を調べたのが今年度の特徴でした。1人は、男女平等意識が定着し、女性の就業率が高いスウェーデンを取り上げ、とくに充実した仕事と育児の両立を助ける制度について詳しく調べました。もう1人は男女の役割分担意識が強いのに、女性管理職が多いフィリピンを調べました。女性が家事・育児をするという意識は強いが、それは妻・母でなくてもよく、家庭使用人でよいことが、女性活躍につながっているという結論でした。女性労働をテーマにしたもう1人はマタニティ・ハラスメントに注目しました。出産後も働き続ける女性が増えたために、顕在化するようなったハラスメントです。今年度は、3人が女性労働を卒業論文のテーマに選びましたが、2人が他国の女性労働を調べたのが今年度の特徴でした。1人は、男女平等意識が定着し、女性の就業率が高いスウェーデンを取り上げ、とくに充実した仕事と育児の両立を助ける制度について詳しく調べました。もう1人は男女の役割分担意識が強いのに、女性管理職が多いフィリピンを調べました。女性が家事・育児をするという意識は強いが、それは妻・母でなくてもよく、家庭使用人でよいことが、女性活躍につながっているという結論でした。女性労働をテーマにしたもう1人はマタニティ・ハラスメントに注目しました。出産後も働き続ける女性が増えたために、顕在化するようなったハラスメントです。
女性労働以外でも、産業関係学科らしく企業の雇用管理制度にかかわるテーマを選んだ人が4人いました。1人は日本の雇用システムのメリット・デメリットを考察した上で、雇用者ではない働き方について調べました。1人は、労働市場が流動化していくこれからの時代、スムーズに転職できるしくみとして、プロサッカーのレンタル移籍制度が参考になるとしました。もう1人は、自分の本来の感情とは異なる感情を演出しなければならないという、感情労働という新しい概念に使って、今、職場に生じている様々な問題を読み解きました。外国人労働者を取り上げた1人は、アジア諸国など送り出し国に日本が職業訓練学校を設立し、そこで現地人を訓練して日本に送り込むことを提案しました。
産業関係学を少し離れて、社会問題を卒業論文のテーマにした人も2人いました。日本の英語教育を取り上げた人は、語学研修を受けるためフィリピンに滞在し、フィリピン人がふつうに英語を話すのを目の当たりにして、フィリピンと比較しながら日本の英語教育を考察しました。もう1人は学校の部活動における体罰を取り上げました。その行為を体罰と思うかどうかは人によって異なり、こうした認識の違いが、体罰がなくならない理由であると彼は考えました。
卒業論文では16,000字以上書かねばならず、書けるのだろうかと不安になる学生も少なくありません。私はゼミ生には「君たちは4,000字のレポートなら書けるでしょう。4,000字のレポートを4つ書けば、卒業論文が出来上がるよ」と言います。もちろん4つのテーマがバラバラでは卒業論文になりません。まず、卒業論文で取り組みたいテーマを決めて、そのサブテーマを4つ考え、それらをどのように繋げば、1つの論文になるかを考えます。そして、それぞれのサブテーマについて4,000字でまとめるというのが私のアドバイスです。もちろん、調べていくうちに、サブテーマの数や、それぞれのサブテーマの字数も、最初の計画からどんどん変わっていきます。しかし、4,000字のレポート4つなら書けるかもという気持ちになれば、まず一歩を踏み出せるのではないでしょうか。
キーワード1 外国人労働者
キーワード2 高度人材
キーワード3 単純労働者
キーワード4 研修・技能実習制度
キーワード5  
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