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学科 教育文化学科
年度 2017
ゼミ名 沖田 行司
タイトル 学校建築の教育史的研究-「学び」の場の近代化-
内容 教育について議論がされる時、教育理念や教育の方法という視点が強調される。しかし、教育の「場」について議論されることは少ない明治時代に出版された『学校通論』では「凡ソ一箇ノ重大ナル事業ヲ起サントスルニハ必す先ツ其設備ヲ為サヽル能ハス」というように、まず設備を整えることから始めるべきであるとしている。教育理念や教育方法をいくら整えても子どもたちが現実に学ぶ場である学校建築をないがしろにすればよい教育はできないだろう。本論では、江戸時代の学校建築である藩校から、明治初期の擬洋風建築の始まり、そして明治中期から後期の学校建築の定型化までの学校建築の歴史を見ていく。その中で、学校建築と当時の人々の思想の影響や社会の関わり、子どもたちの学びはどのように変化していったのかについて見ていきたい。また、現代の教育問題について学校建築の観点から、資料を基にその具体的な方策について考えていきたいと思う。
講評 今年度のゼミ生は卒業論文〈20,000字〉が12名で、卒業研究〈10,000字〉が7名の計19名である。卒業論文を選択した学生は毎週演習の時間に指導していたので、それ程問題はなかったが、卒業研究を選んだ学生は指導がないままに11月を迎えた。そのほとんどが論文の体裁をなしていなかった。参考文献から無断借用したものも見られ、書き直しをしてもらった。字数さえ満たせばいいと思っていた学生には大きな衝撃であったと思う。結局、11月ごろから毎日PC持参で研究室に来てもらい、資料を読んで考えていただき、また質問に応じるという作業をおこなった。その成果もあって、提出日の前日には全員が論文を完成することができた。
私は論文指導を通して、はじめて学生と向かい合うことができると考えている。中には「先生よく勉強してはるな」と学生からお褒めの言葉をいただくこともあった。しかし、それはよく勉強した学生だからこそ、その言葉が出てくると思う。むしろ学生を褒めるしかないのである。体育会に所属する学生が多いのも私のゼミの特質であるが、私は論文作成において、一切妥協はしない。玉石混交ではあったが、全員が努力して立派な論文を書き上げたことに敬意を表したい。
キーワード1 学校建築
キーワード2 学びの場
キーワード3 近代化
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