詳細 | |
---|---|
学科 | 社会学科 |
年度 | 2017 |
ゼミ名 | 鵜飼 孝造 |
タイトル | 男らしさと野球――スポーツ・ジェンダー問題解決に向けて―― |
内容 | スポーツは依然として男性優位の権力関係を象徴する装置であり続けている(谷口 2007)が、大衆スポーツの中で最も男らしさを意識づけられるスポーツが野球であると、私は感じている。野球と「男らしさ」や性差意識の関連についての量的調査より、野球は依然として「男らしさ」を強調するだけでなく、女性の性別役割分担への考えを定着させる装置としても機能していることが分かった。しかし、男らしさの中身が高度経済成長期に求められた固定的なジェンダー意識による魅力ではなく、性差のない魅力へと変化してきている影響を野球は受けていた。女性観戦者の増加などが示すように、「男らしさ」の変化とともに、女性も参加する性差のないスポーツへと変わりつつあるのではないか。野球が「父と子のスポーツ」の枠から脱することで「野球=男のスポーツ」という意識をなくし、性別を意識することなく自身が選択した場で自由に楽しんで野球と触れ合うことにより、野球は男性優位を強調する装置として機能しなくなるのではないかと考える。今変わりつつある野球は、スポーツ・ジェンダー問題解決への大きな希望を秘めているのである。 |
講評 | 「男らしさ」というジェンダー的視点から野球というスポーツを分析したユニークな論文。著者の体験から、野球は父親が息子に「男らしさ」を教えるスポーツであったが、量的調査やメディア分析も踏まえつつ、性差を超える変化を見いだしている点が素晴らしい。 |
キーワード1 | 野球 |
キーワード2 | 男らしさ |
キーワード3 | 性別役割分担 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
戻 る |