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学科 メディア学科
年度 2017
ゼミ名 小黒 純
タイトル 「草食系男子」に関する男性学の視座からの考察 新聞記事の言説分析を通じて
内容 「草食系男子」は2009年前後に流行語大賞を受賞しブームを巻き起こした。提唱者の深澤真紀は、草食系男子を当初、「新しい男らしさを持つ若者」を褒める言葉として提起したが、メディアを中心に恋愛をしないダメな若者という否定的なイメージが増え、「草食系」という言葉もネガティブなイメージがついた。深澤自身がのちに「若い男性を叩く口実を与えてしまったことに、申し訳なく思っている」と述べているとおりに、メディア上でバッシングが巻き起こる。この「新しい男性性」として登場した草食男子がバッシングされた理由として、筆者は男性学の観点から、異性愛規範に対して逸脱した男性性がスティグマを貼られ、本来の意味とは異なる観点から非難されたのではないかと仮説をたてた。朝日新聞の新聞紙面を調査した結果、以上のような傾向が見て取れた。ただし、2017年からは肯定的な評価が高まっており、男性性に対する認識の変化が伺えた。
講評 個性的なテーマが揃う
■進捗状況 米国とシンガポールに留学していた2人が復帰し、実質的には18人が卒論を書き切った。
毎年同じことを述べることになるが、ごく少数を除き、提出まで2か月となってようやくエンジンがかかるという状態だった。
「イブ祭前にはほぼ完成させ、12月にはスキー・スノボ合宿の計画を悠々と立てる」という、スケジュール目標は、またもや水泡に帰した。 
「取り掛かりは早く」と100回唱えたところで効果がない。そこで夏休み明けには1万文字分を書いて提出するよう求めるなど、さまざまなハードルを課したが、危機感は広がらなかった。 今年度、最も効果があったのは、提出締め切り1か月前に示した、「指導教員が受け止めている各受講生の進捗状況」だった。書き終えている文字数ではなく、あくまで私が主観的に、何%に到達しているかを一覧表にして示した。最高で90%、最低は40%、平均で約60%だった。つまり、だいたい残り4割ぐらいを1か月で猛烈に追い込んで仕上げた、ということになる。
こうして毎年繰り返し「取り組みが遅かった」と書くのは、ひとえに担当教員の指導力のなさによる。ほとんどの受講生にとっては、長い論文を書くことは人生最初のことである。「2万字も書く感覚が分からない」「後回しにしたい」と思うのはごく自然な成り行きだろう。3回生では「課題図書週1冊」のペースには慣れたはずなのに、読書量がまだ不十分だったのかもしれない。4回生になっても研究テーマが定まらないという受講生が少なくなかった。それでも、少なくとも最後の1か月以上は、馬車馬の如く卒論に没頭し、新たな地平が開けたのではないだろうか。
■研究テーマ 卒論のテーマは、前年までに比べジャーナリズムに関連するものがやや減り、SNS関連のものが増えた。個別に見ると、ジャーナリズムの風刺性、VR、原発関連の新聞広告、マジック(奇術)とCM、10代の投書(新聞投稿)、ドラマにおける不倫の表象など、いずれも個性的なものばかりだった。まさに「一緒に勉強させてもらう」という楽しみを覚えた。
■総括 例年にもまして、先行研究のレビューをしっかり行うように、また、研究目的が明確かどうか、自己点検するように求めた。さらに、論文の「型」や、参考文献の書き方など細部にもこだわった。結果的に、出来映えは一定水準に達したものが揃った。個性的なテーマばかりだったこともあり、指導する側にとっても、学びと発見の機会を得ることになった。逆に指導力不足を痛感したことは先に述べた通りである。ともかく、卒論を通して最高のメンバーと一緒の時間を過ごせたことは、一生の宝ものとしたい。
キーワード1 男性学
キーワード2 新聞研究
キーワード3 異性愛規範 
キーワード4 男らしさ
キーワード5 言説分析
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