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学科 メディア学科
年度 2017
ゼミ名 小黒 純
タイトル 漫才の風刺性に関する分析と考察-「爆笑問題」を事例として-
内容 本研究は、「日本のお笑いに風刺性はあるのか」という問題意識を出発点として、お笑いの中でも「爆笑問題」の時事漫才の分析を行った。風刺に関する先行研究を手掛かりに、本研究における「風刺」を「風刺とは、社会的強者である表現客体(描かれる側)を対象とするユーモアと批判性を織り交ぜた芸術的表現である」と定義した。分析結果として、爆笑問題の漫才にはネタで扱われているニューストピックごとに風刺性の有無があることが明らかとなった。風刺性があった場合にも、風刺性の強弱が存在することが分かった。また風刺の対象となっているのは、政治家やスポーツ関係団体、大学教授など様々だった。2人の間の会話だけで世相を反映させ、風刺性を含んだ漫才スタイルを確立させていることこそが爆笑問題の最大の特徴と言える。彼らのこの特徴が日本の「お笑いの風刺性」という観点の価値を高める役割を担っていると考えられる。
講評 個性的なテーマが揃う
■進捗状況 米国とシンガポールに留学していた2人が復帰し、実質的には18人が卒論を書き切った。
毎年同じことを述べることになるが、ごく少数を除き、提出まで2か月となってようやくエンジンがかかるという状態だった。
「イブ祭前にはほぼ完成させ、12月にはスキー・スノボ合宿の計画を悠々と立てる」という、スケジュール目標は、またもや水泡に帰した。 
「取り掛かりは早く」と100回唱えたところで効果がない。そこで夏休み明けには1万文字分を書いて提出するよう求めるなど、さまざまなハードルを課したが、危機感は広がらなかった。 今年度、最も効果があったのは、提出締め切り1か月前に示した、「指導教員が受け止めている各受講生の進捗状況」だった。書き終えている文字数ではなく、あくまで私が主観的に、何%に到達しているかを一覧表にして示した。最高で90%、最低は40%、平均で約60%だった。つまり、だいたい残り4割ぐらいを1か月で猛烈に追い込んで仕上げた、ということになる。
こうして毎年繰り返し「取り組みが遅かった」と書くのは、ひとえに担当教員の指導力のなさによる。ほとんどの受講生にとっては、長い論文を書くことは人生最初のことである。「2万字も書く感覚が分からない」「後回しにしたい」と思うのはごく自然な成り行きだろう。3回生では「課題図書週1冊」のペースには慣れたはずなのに、読書量がまだ不十分だったのかもしれない。4回生になっても研究テーマが定まらないという受講生が少なくなかった。それでも、少なくとも最後の1か月以上は、馬車馬の如く卒論に没頭し、新たな地平が開けたのではないだろうか。
■研究テーマ 卒論のテーマは、前年までに比べジャーナリズムに関連するものがやや減り、SNS関連のものが増えた。個別に見ると、ジャーナリズムの風刺性、VR、原発関連の新聞広告、マジック(奇術)とCM、10代の投書(新聞投稿)、ドラマにおける不倫の表象など、いずれも個性的なものばかりだった。まさに「一緒に勉強させてもらう」という楽しみを覚えた。
■総括 例年にもまして、先行研究のレビューをしっかり行うように、また、研究目的が明確かどうか、自己点検するように求めた。さらに、論文の「型」や、参考文献の書き方など細部にもこだわった。結果的に、出来映えは一定水準に達したものが揃った。個性的なテーマばかりだったこともあり、指導する側にとっても、学びと発見の機会を得ることになった。逆に指導力不足を痛感したことは先に述べた通りである。ともかく、卒論を通して最高のメンバーと一緒の時間を過ごせたことは、一生の宝ものとしたい。
キーワード1 風刺
キーワード2 お笑い
キーワード3 ユーモア論
キーワード4 爆笑問題
キーワード5 漫才
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