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学科 | 社会学科 |
年度 | 2017 |
ゼミ名 | 尾嶋 史章 |
タイトル | 相互作用的観点から見るスクールカースト |
内容 | 教室内における生徒間格差であるスクールカーストは、個人の特性によって説明されがちであるが、本研究では、集団における相互作用の観点からスクールカーストを眺める。本研究では、いじめ研究におけるシステム論、権力に関する理論、学級経営に関するネットワーク論を周辺分野として取り上げ、それらの理論からスクールカーストを解釈する。 結果、小さな個人的特性の差異から生じる些細な「見下し」がポジティヴ・フィードバックによって成員全体に優勢なイメージとして認識され、地位として定着していくという解釈に至った。さらに、同じ社会化のプロセスを辿った者同士が相互に関わり合うことで、社会的威力が生まれる。これは本人たちの目には外部に実在する権力だと錯視され、それに強制される形で行為を行うことになるため、スクールカーストは維持される。それらのことを踏まえた上で、スクールカースト地位を測定する代理指標として適切と思われる指標の提案も行っている。 |
講評 | 近年、学校での生徒間関係において、スクールカーストという階層的な「秩序」が注目されている。個人属性や特性の相違がその背景にあることには言及されているもののその構造的な形成要因については触れられていない。この点に関して、システム論や権力論をレビューして援用することを試みたのが、本論文である。問題設定と理論のレビューは丹念になされており評価できる。しかし、これらの理論によってスクールカーストがどのように説明されるのかまでは至っていない。このステップが踏めれば優れた論考となったと考える。 |
キーワード1 | スクールカースト |
キーワード2 | 相互作用 |
キーワード3 | メカニズム |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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